“往時”のいろいろな読み方と例文
読み方(ふりがな)割合
むかし72.5%
おうじ10.0%
わうじ7.5%
いにしへ2.5%
そのかみ2.5%
まえ2.5%
もと2.5%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
往時むかし普門院といふ寺の鐘この淵に沈みたればこの名ありとは江戸名所図会にも載せたる伝説ながら、けだし恐らくは信ずるに足らざるの談ならん。
水の東京 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
往時むかしは大きな漁業を営んで、氷の中にまで寝たというこの老人の豪健な気魄きはくと、絶念あきらめの早さとは年を取っても失われなかった。
家:02 (下) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
こういう人の側に、山本さんは遠慮勝に腰掛けて、往時むかしお新や異母妹いもうとと一緒に菖蒲田の海岸を歩いた時の心地こころもちに返った。
(新字新仮名) / 島崎藤村(著)
谷中天王寺やなかてんのうじわずかに傾ける五重塔に往時おうじ名残なごりとどむるばかり。
ゆえに往時おうじは、これを畑に作ったことがあった。
植物知識 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
往時おうじの自分をいたわって置きたい。
惜別 (新字新仮名) / 太宰治(著)
往時わうじかへりみて感慨かんがいもよふすのとき換骨脱體くわんこつだつたいなる意味いみはじめてかいしたるのおもひあり。
命の鍛錬 (旧字旧仮名) / 関寛(著)
日本にほん往時わうじ高層建築かうそうけんちくはおほくなかつた。
日本建築の発達と地震 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
で、その婦人は、あたか往時わうじ猶太人ユダヤじんが病人をベテスダの池に送つたやうに、この娘の病氣をなほす爲めにこの學校へ送られたのである。で、私から先生方にも學監にもお願ひしたい。どうかこの娘の周圍の水をよどませぬように注意して戴きたい。
往時いにしへはおろかなりけり。
二日物語 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
ありし往時そのかみ、玉の御座みくら大政おほまつりごとおごそかにきこしめさせ玉ひし頃は、三公九けいかうべれ百官諸司袂をつらねて恐れかしこみ
二日物語 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
只今なれば起るのが十時でげすな、往時まえ巳刻よつと云った時分にようやく眼を覚して、
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
そこは、往時もと女髪結で直樹の家へ出入して、直樹の母親の髪を結ったという老婆ばあさんが見つけてくれた家であった。
家:02 (下) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)