“俛”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
48.6%
うつむ16.2%
うなだ10.8%
10.8%
うつ5.4%
たれ2.7%
かが2.7%
くゞ2.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
これを言出いひいでたるのち、いのちをはり、又これを言出でたるあとは、かしらを胸にれて、あたかも老僧が聖祭せいさいを行ひつゝ絶命する如くならむ。
頌歌 (旧字旧仮名) / ポール・クローデル(著)
『僕は実際困つた。今舎監室へ頼みに行つて来たのだが、駄目ぢやつた。僕はもう学校を退くことに決心した』と云つてうつむいた。
「まだ思案最中なんですよ」と久野は快答を与えるのが惜しいような心持で言いながら、首をうなだれてみた。「何しろ書きかけてるんだからなあ」
競漕 (新字新仮名) / 久米正雄(著)
流石さすがの伊達政宗をしてこうべして兎も角も豊臣秀吉の陣に参候するに至るだけの料簡りょうけんを定めしめた。
蒲生氏郷 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
目と目が合った瞬間おやと思って銀子は視線をそらしたが、栗栖もそっとうつむいて猪口ちょくを手にした。
縮図 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
「おつかあのねえものはだな」おつぎはいつて勘次かんじるとすぐくびたれた。勘次かんじそば凝然ぢつとそれをいてた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
此れから汁の実なぞがなくならずにようござんしょう、と葬式の時ある律義な若者が笑った。さる爺さんは、とし其様そんなでもなかったが、若い時の苦労で腰が悉皆かがんで居た。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
薄闇い狭いぬけろじの車止くるまどめの横木をくゞって、彼方むこうへ出ると、琴平社の中門の通りである。
二少女 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)