うなだ)” の例文
「まだ思案最中なんですよ」と久野は快答を与えるのが惜しいような心持で言いながら、首をうなだれてみた。「何しろ書きかけてるんだからなあ」
競漕 (新字新仮名) / 久米正雄(著)
勘次かんじ卯平うへいまへてはたゞくびうなだれた。卯平うへい凝然ぢつよこいて勘次かんじをちらりともなかつた。かれ從來これまでとは容子ようす幾分いくぶんちがつてた。かれくせしたらしてたが
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
亭主は首をうなだれてぢつと足許を見て居るばかりで
夜烏 (新字旧仮名) / 平出修(著)
荷車を曳いて行く庄次は強健な皮膚はだが暑い日に光りました。それから荷車の後を押して行くお杉さんも白かつた頬が日に燒けて脊には何時でも小さな子が首をくつたりとうなだれて眠つて居ました。
白瓜と青瓜 (旧字旧仮名) / 長塚節(著)
「へえ」勘次かんじくびさらうなだれた。かれうるんだ。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)