)” の例文
これを言出いひいでたるのち、いのちをはり、又これを言出でたるあとは、かしらを胸にれて、あたかも老僧が聖祭せいさいを行ひつゝ絶命する如くならむ。
頌歌 (旧字旧仮名) / ポール・クローデル(著)
あわれむべし過度の馳騖ちぶに疲れ果てたる馬は、力なげにれたる首をならべて、てども走れども、足は重りて地を離れかねたりき。
義血侠血 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
勘次かんじ草刈籠くさかりかご脊負せおつて巡査じゆんさあといて主人しゆじんいへ裏庭うらにはみちびかれた。巡査じゆんさ縁側えんがは坐蒲團ざぶとんこしけたとき勘次かんじかご脊負せおつたまゝくびれてつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
愁然として彼はかしられぬ。大島紬は受けたるさかづきりながら、更に佐分利が持てる猪口ちよくを借りて荒尾に差しつ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
芳子もそのそば庇髪ひさしがみれて談話を聞いていた。父親の眼に映じた田中は元より気に入った人物ではなかった。
蒲団 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
欝金草賣は謹んで無言のままにくびれた。壁際高くホルバインの傑作、アルバ公爵の肖像畫が掛けてあつて、そこよりにらむ糺問法官の眼光にすくんで了つた。
欝金草売 (旧字旧仮名) / ルイ・ベルトラン(著)
とそう言われると青年はにわかにひるんで、すみませんと言ったきり、首をれてしまった。そしてその瞬間、男性的なマスタアへのハルミの信頼が強められた。
仮装人物 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
少しはぢてや首をを揉みながら、自己おのれが発頭人なるに是非なく、有し次第を我田に水引き/\申し出れば、痩せ皺びたる顔に深く長くいたる法令の皺溝すぢをひとしほ深めて
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
(男首をれて辻馬車のたまりをさして行く。昔のおろかなりし事の苦澀くじゅうなる記念のために、その面上にはあわれむべき苦笑の影浮べり。灰いろの空よりは秋めける雨しとしとと降れり。)
辻馬車 (新字新仮名) / フェレンツ・モルナール(著)
首をれては、梢の下を潜った、枝は人を見ると、ひしひしと身を寄せかけて、しがみつきそうにする、私は引き締まった、用心ぶかい態度になって、木の葉のつぶやきも聞き洩らすまいとした
谷より峰へ峰より谷へ (新字新仮名) / 小島烏水(著)
大尽王香以、清兵衛を立つるときは、微塵数のパルヴニュウは皆守銭奴となって懺悔ざんげし、おいらん王を立つるときは、貞婦烈女も賢妻良母も皆わけしらずのおぼことなって首をるるであろう。
細木香以 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
彼等黙然として頭れ、もたらす処只幻惑の悲音のみ。
海潮音 (新字旧仮名) / 上田敏(著)
前足を組んで、首をれて沈黙しています。
「そんな料簡れうけんでなくわたし自分じぶんのがつたんですつていへば、そんでいゝやうに始末しまつしてやるだから」内儀かみさんがちからけてても勘次かんじただくびれてる。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
ゆるめてつち領伏ひれふし、身動きもせでしばらく横たわりたりしが、ようようまくらを返して、がっくりとかしられ、やがて草の根を力におぼつかなくも立ちがりて
義血侠血 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ありし往時そのかみ、玉の御座みくら大政おほまつりごとおごそかにきこしめさせ玉ひし頃は、三公九けいかうべれ百官諸司袂をつらねて恐れかしこみ、弓箭きうぜん武夫つはもの伎能の士、あらそつて君がため心を傾ぶけ操を励まし
二日物語 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
舌を吐き首をれていうようは
鬼桃太郎 (新字新仮名) / 尾崎紅葉(著)
犬は神妙に首をれております。
大菩薩峠:06 間の山の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
芳子は顔をれた。
蒲団 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
してくれたぞよう……」ときまつたやうな反覆くりかへしつゝまだ十ぶん意味いみさないのに勘次かんじ整然ちやんすわつたひざ兩手りやうてぼうのやうにいてぐつたりとかしられた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
然らざるも尾をれ首をれて制を受くるに至つたのが多いのである。
努力論 (旧字旧仮名) / 幸田露伴(著)
れていふやうは、それがし
鬼桃太郎 (旧字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)