欝金草売うこんそううり
花のなかなる欝金草は鳥のなかなる孔雀の如し。かれに香無くこれに歌無し。かれは其袍を、これは其尾を矜る。「珍華園」 あたりはしんとしてゐる。博士ホイルテンの指の下に羊皮紙の擦れる音ばかりだ。博士は彩色の飾文字を散らした聖典を見つめてゐて、たま …