“怜”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
さか23.1%
うれ15.4%
あはれみ15.4%
あわ15.4%
いとし7.7%
7.7%
あわれ7.7%
いと7.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
俊男は其のさかしい頭が氣にはぬ。また見たところ柔和にうわらしいのにも似ず、案外あんぐわい理屈りくつツぽいのと根性こんじやうぽねの太いのがにくい。で、ギロリ、其の横顏をにらめ付けて
青い顔 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
姉君、こよなううれし、さきよりこれ欲しうおもひたるにとて、心地よげに飲み給ひ、常はえまゐらぬまだしき大根おほねまゐるもをかし。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
此時 御領主より彦右ヱ門せがれへ米五俵、浅右ヱ門さいへ米五俵たまはりし事をしるしあり。此魚沼郡うをぬまこほり大郡たいぐんにて 会津侯御あづかりの地なり。元文の昔も今も 御領内ごりやうない人民じんみんあはれみ玉ふ事あふぐべくたつとむべし。
かつて大阪府の薄給官吏が血書してこの意を述べ、空しく予の志をあわれむと匿名書を贈られたが最上の出来じゃ。
かくいとしまれつつも宮が初一念は動かんともせで、難有ありがたき人のなさけそむきて、ここにとつぎし罪をさへ歎きて止まざりしに、思はぬ子まで成せしあやまち如何いかにすべきと、みづからそのゆるし難きをぢて
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
しかし実際顔と顔とを向かい合わせると、二人ふたりは妙に会話さえはずまなくなるのだった。そのかしいのがいやだった。柔和なのが気にさわった。
或る女:1(前編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)
(男首をれて辻馬車のたまりをさして行く。昔のおろかなりし事の苦澀くじゅうなる記念のために、その面上にはあわれむべき苦笑の影浮べり。灰いろの空よりは秋めける雨しとしとと降れり。)
辻馬車 (新字新仮名) / フェレンツ・モルナール(著)
氷の如き宮が手を取り、ひしと握りて、永く眠れるおもてのぞかんと為れば、涙急にして文色あいろも分かず、推重おしかさなりて、いとしやと身をもだえつつ少時しばし泣いたり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)