いとし)” の例文
かくいとしまれつつも宮が初一念は動かんともせで、難有ありがたき人のなさけそむきて、ここにとつぎし罪をさへ歎きて止まざりしに、思はぬ子まで成せしあやまち如何いかにすべきと、みづからそのゆるし難きをぢて
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
今はうつくしくるまの主ならず、路傍の酔客ならず名宣合なのりあへるかれとこれとの思は如何いかに。間貫一が鴫沢の家に在りし日は、彼の兄の如く友として善かりし人、彼の身の如く契りていとしかりし人にあらずや。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
考へて見りや、丹子も可愛かはいし、あの阿母さんもいとしいし。ああ、吁!
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)