うれ)” の例文
姉君、こよなううれし、さきよりこれ欲しうおもひたるにとて、心地よげに飲み給ひ、常はえまゐらぬまだしき大根おほねまゐるもをかし。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
「マルヒユスですか。目の光る、日に焼けた、髪の黒い男ぢやありませんか。」名を聞いて耳をそばだてたフロルスは、うれしげな声でかう云つた。
はぎあらはに端折りて、ささやかなるものを負ひつつ来給ふさま苦しげにもあらず、常の道歩み給ふさまなるがいとうれし。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
二人の老人おいびと娘と共に恙もあらで到り着きぬれば、うれしさ譬へむに物なかりき。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)