“文色”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
あいろ33.3%
あいもん16.7%
あやいろ16.7%
あやめ16.7%
いろ16.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
氷の如き宮が手を取り、ひしと握りて、永く眠れるおもてのぞかんと為れば、涙急にして文色あいろも分かず、推重おしかさなりて、いとしやと身をもだえつつ少時しばし泣いたり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
いとはずゆふ申刻過なゝつすぎより右の寺へ參り暫時物語等致し居存外ぞんぐわいおそなはり夜亥刻よつどきちかころ上伊呂村迄歸り來りし時河原にて何やらにつまづきたれども宵闇よひやみなれば物の文色あいもんは分らずたゞ人の樣子ゆゑさけゑひし者のふせり居し事と心得氣のせくまゝ能もたゞさず早々歸宅仕り其夜は直樣すぐさま打臥うちふし翌朝よくてうおき出門の戸を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
で、じっと隙かして見たが灯火のない宝蔵の内はいわゆる烏羽玉うばたまの闇であって、物の文色あやいろも解らない。信玄は背後を振り返って見た。規定さだめの人数に欠けた者もない。
神州纐纈城 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
いつか夕闇が迫って、部屋の中は物の文色あやめも分らないほど暗くなっているのを、二人とも気がつかなかったのである。
貞操問答 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
いとはず自身にゆふ申刻過なゝつすぎより右の寺へ參る其夜亥刻近よつどきちかき頃たくもどり來る途中しも伊呂村の河原にて死人につまづきたれども宵闇よひやみなれば物の文色いろわからず殊に夜陰やいんの事故氣のせくまゝ早々宿やどへ戻りて其夜は打臥うちふし翌朝かどの戸を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)