)” の例文
しかし実際顔と顔とを向かい合わせると、二人ふたりは妙に会話さえはずまなくなるのだった。そのかしいのがいやだった。柔和なのが気にさわった。
或る女:1(前編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)
黒い髪の毛をぴったりときれいに分けて、かしい中高なかだか細面ほそおもてに、健康らしいばら色を帯びた容貌ようぼうや、甘すぎるくらい人情におぼれやすい殉情的な性格は、葉子に一種のなつかしさをさえ感ぜしめた。
或る女:1(前編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)