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俛
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うつむ
ふりがな文庫
“
俛
(
うつむ
)” の例文
『僕は実際困つた。今舎監室へ頼みに行つて来たのだが、駄目ぢやつた。僕はもう学校を退くことに決心した』と云つて
俛
(
うつむ
)
いた。
死線を越えて:01 死線を越えて
(新字旧仮名)
/
賀川豊彦
(著)
「駄目だよ。
旦那
(
だんな
)
が気がないから」
作
(
さく
)
と云うその男は
俛
(
うつむ
)
いたまま答えた。「もう楮のなかから小判の出て来る
気遣
(
きづかい
)
もないからね」
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
やがて四人打ち
揃
(
そろ
)
って外へ出てみたのであったが、葉子は部屋にいたときと同じく、始終物思わしげに、
俛
(
うつむ
)
きがちに歩いており、清川の靴の音だけが
仮装人物
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
父は火鉢によつて
俛
(
うつむ
)
いて色々と考へて居る——。
死線を越えて:01 死線を越えて
(新字旧仮名)
/
賀川豊彦
(著)
やっぱりそうだ! と銀子は思ったが、きっぱり断わるでもないと思って、黙って
俛
(
うつむ
)
いていた。
縮図
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
▼ もっと見る
才気ばしったお
愛相
(
あいそ
)
の好い師匠を中心に、しばし雑談に時を移したが、その間も葉子は始終
俛
(
うつむ
)
きがちな
蒼白
(
あおじろ
)
い顔に、深く思い悩むらしい
風情
(
ふぜい
)
を浮かべて、黙りとおしていた。
仮装人物
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
父親は黙って煙管を
啣
(
くわ
)
えたまま
俛
(
うつむ
)
いてしまったが、母親は憎さげにお島の顔を
瞶
(
みつ
)
めていた。
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
お島は
頭脳
(
あたま
)
が一時に
赫
(
かっ
)
として来た。女達の姿の動いている
明
(
あかる
)
いそこいらに、
旋風
(
つむじ
)
がおこったような気がした。そしてじっと
俛
(
うつむ
)
いていると、体がぞくぞくして来て
為方
(
しかた
)
がなかった。
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
鼻の
隆
(
たか
)
い、色白の、
上脊
(
うわぜい
)
のあるその青年は、例の電球二つを女の
乳房
(
ちぶさ
)
のようにつけた
仏蘭西製
(
フランスせい
)
のスタンドの、憂鬱な色をしたシェドの
蔭
(
かげ
)
に、
俛
(
うつむ
)
き加減に腰かけていたものだったが
仮装人物
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
お座敷の
取做
(
とりな
)
しなどについて、何か言つて聞かせても、いつも
俛
(
うつむ
)
いて何時までも黙つてゐる子が一人あるのに、かね/″\
業
(
ごふ
)
を煮やしてゐた矢先きなので、咲子のてきぱきしたのが
チビの魂
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
「忰ですかね。」爺さんは調子を少し落して
俛
(
うつむ
)
いた。
躯
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
均平が黙って
俛
(
うつむ
)
いているので、銀子はきいた。
縮図
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
俛
漢検1級
部首:⼈
9画
“俛”を含む語句
俛首
前俛
俛向