追懐おもいで)” の例文
旧字:追懷
眼鏡越しに是方こちらを眺める青木の眼付の若々しさ、往時むかし可懐なつかしがる布施の容貌おもてあらわれた真実——いずれも原の身にとっては追懐おもいでの種であった。
並木 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
それからそれへと思いめぐらして、追懐おもいではいつしか昔の悲しい、いたましい母子おやこの生活の上にうつったのである。
駅夫日記 (新字新仮名) / 白柳秀湖(著)
汽車は今追懐おもいでの深い蛇窪村の踏切を走っている。
駅夫日記 (新字新仮名) / 白柳秀湖(著)