“おもいだ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
思出52.1%
憶出31.3%
想出6.3%
回想2.1%
想起2.1%
懐出2.1%
追想2.1%
追憶2.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
與太郎は、あの話を思出おもいだしました。どんな物をでも可愛がってやろう、そしてどんな物とでも話をして、仲よくしようとそう考えました。
たどんの与太さん (新字新仮名) / 竹久夢二(著)
八時を打っても、未だ奥様は御寐おやすみです。旦那様は炉辺で汁の香を嗅いで、憶出おもいだしたように少許すこし萎れておいでなさいました。
旧主人 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
始終使にばかり行っても居なかったろうが、私は勘ちゃんの事を憶出すと、何故だかいつも其使に行く姿を想出おもいだす。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
回想おもいだして「水の世話にさえならなきゃ如彼あんな奴に口なんかかしや仕ないんだけど、房州の田舎者奴いなかものめが、可愛がって頂だきゃ可い気になりゃアがってどうだろうあの図々ずうずうしい案梅あんばいは」とお徳の先刻さっきの言葉を
竹の木戸 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
この人は東京の生ですから、新しい格子作を見るたびに、都を想起おもいだすと言っておりました。
旧主人 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
「そう、私はまたおとめさん(大方老母が文三の嫁に欲しいと云ッた娘の名で)とかの事を懐出おもいだして、それで塞いでお出でなさるのかと思ッたら、オホホホ」
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
笹村は笑っていたが、それを言われるたびに、自分では気もつかずに過して来た、長いあいだ満足に足腰を伸ばしたこともない、いきなりな生活が追想おもいだされた。
(新字新仮名) / 徳田秋声(著)
お銀は自分の十六、七のころを追憶おもいだしながら、水々した目でランプをみつめていた。
(新字新仮名) / 徳田秋声(著)