“かいそう”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
潰走36.5%
海藻23.0%
海草14.9%
廻漕5.4%
回想4.1%
回漕4.1%
会桑2.7%
壊走1.4%
怪僧1.4%
貝層1.4%
廻送1.4%
改装1.4%
械送1.4%
疥瘡1.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そして、最後さいごは、火花ひばならす、突撃戦とつげきせんでありました。てき散々さんざんのめにあわして潰走かいそうさしたが、こちらにもおおくの死傷者ししょうしゃしました。
とびよ鳴け (新字新仮名) / 小川未明(著)
それは水中に長く沈んでいた男の顔で、ふくれて、白ちゃけて、その濡れしおれた髪には海藻かいそうがからみついていた。
なぎさはどこも見渡す限り、打ち上げられた海草かいそうのほかはしらじらと日の光に煙っていた。そこにはただ雲の影の時々大走おおばしりに通るだけだった。
海のほとり (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
二三日前、入港した第二海竜丸が、上方から山羊を廻漕かいそうしてきたのである。
南方郵信 (新字新仮名) / 中村地平(著)
おそらく、このときの子供こどもこころあかるく、なんのかなしみもなかったでしょう。地主じぬしは、それにさそわれて、自分じぶん子供こども時分じぶん回想かいそうしました。自分じぶんにも、こんな時代じだいがあった。
子供は悲しみを知らず (新字新仮名) / 小川未明(著)
やとうべき駄馬の背も見つからなかった。従って、当面の必要なもの以外を和船の回漕かいそうゆだねたのもむを得ない事情であった。
石狩川 (新字新仮名) / 本庄陸男(著)
薩長の真意が慶喜をちゅうし、同時に会津の松平容保かたもりと桑名の松平定敬さだのりとを誅戮ちゅうりくするにあることが早く名古屋城に知れ、尾州の御隠居はこの形勢を案じて会桑かいそう二藩の引退を勧告するために
夜明け前:02 第一部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
近衛兵の数個の方陣は、流れの中のいわおのごとくに、壊走かいそうの中にふみ止まって、夜になるまで支持していた。夜はきたり、また死もきた。彼らはその二重の暗黒を待っていた。
絶望的の壊走かいそうは、ジュナップを過ぎ、レ・カトル・ブラを過ぎ、ゴスリーを過ぎ、フラーヌを過ぎ、シャールロアを過ぎ、テュアンを過ぎ、そして国境に至ってようやく止まった。
と、五十余名の大衆たいしゅうが、シタシタと足をひいて、まえをみると、かすみのふかい松並木まつなみきのかげから、忽然こつぜんとおどりだした年わかい怪僧かいそうがあった。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
それもそのはずなのであるが、神官しんかん理由りゆうを知らないので、いよいよふしぎな怪僧かいそうであると、したをまいておどろいた。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
つまり、はたひらにくいので其儘そのまゝ放棄はうきされてる、それだけ貝層かいそうふかいのである。
それでは其棄權そのきけんしたあと讓受ゆづりうけやうとて、けると、なるほど貝層かいそうは五六すんにしてきる。が、其下そのしたつち具合ぐあひだシキともえぬので、根氣好こんきよ掘下ほりさげてると、またあたらしき貝層かいそうがある。
毎日、夕暮ゆうぐれになるとあなたからの手紙が廻送かいそうされているような気がして、姉の子をおぶい、散歩に出た浜辺はまべから、いのるような気持で、姉の家に帰って行ったものです。
オリンポスの果実 (新字新仮名) / 田中英光(著)
そして、代替りゆえ、思い切って店の内外を改装かいそうし、ネオンもつけて、派手に開店しなはれ、金はいくらでも出すと、随分乗気になってくれた。
夫婦善哉 (新字新仮名) / 織田作之助(著)
太祖が孝孺を愛重せしは、前後召見のあいだおいて、たま/\仇家きゅうかためるいせられて孝孺の闕下けっか械送かいそうせられし時、太祖そのを記し居たまいてことゆるされしことあるに徴しても明らかなり。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
この頃また疥瘡かいそうを病んで、命もあやうい容態になってしもうた。……財宝万貨、なに一つ不足というものはないが、老いの寿命と子孫ばかりは、どうにもならぬものである
三国志:05 臣道の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)