“海藻”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
かいそう45.9%
かいさう16.2%
うみも10.8%
みる8.1%
あまも2.7%
うみぐさ2.7%
かじめ2.7%
のり2.7%
もくず2.7%
もくづ2.7%
わかめ2.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
肉ににおいのあるかめは肉食をして、魚をたべているかめで、正覚坊は海藻かいそうをたべているから、においがないのだ。
無人島に生きる十六人 (新字新仮名) / 須川邦彦(著)
そのうち、かうばしいやうな、とほくで……海藻かいさうをあぶるやうなにほひつたはる。にほひ可厭いやではないが、すこしうつたうしい。出窓でまどけた。おゝ、る/\、さかんしろい。
火の用心の事 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
明け方の光が微かに、血のなかの海藻うみもにも似る黒髪と、白蝋びゃくろうのような死者の顔とを、無常迅速のことば通り、冷ややかに照らし出している。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
海藻みるをかき亂したやうな黒髮の、水肌を慕ふやうにゆらめく中に、白い顏が恐怖と苦惱に歪んで、二つの眼ばかりが、星の如く輝きます。
耀蔵のからだが、およそ、四尋よひろほども沈んで行ったと思うと、まっ蒼な海藻うみぐさのなかから、ぬッと、人間の腕がのびた。
牢獄の花嫁 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
美女 潮風、いその香、海松みる海藻かじめの、咽喉のどを刺す硫黄いおう臭気においと思いのほか、ほんに、すずしい、かおり、(やわらかに袖を動かす)……ですが、時々、悚然ぞっとする、なまぐさい香のしますのは?……
海神別荘 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
けれどもが、さし向かえば、の尊敬をするわけでもない、自他平等、海藻のりのつくだ煮の品評に余念もありません。
号外 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
「それだけか」と、トム公の影は海藻もくずの中を泳ぐ縞鯛しまだいのように、ぴちぴちと、正確な針路を探って、青い庭園の闇をわけて行った。
かんかん虫は唄う (新字新仮名) / 吉川英治(著)
藁蘂わらしべで結つた油氣のない髮は、半分白髮が交つて、多年日光の下で燒き上げた澁紙色の皮膚、遠州じまの單衣の尻を端折つて、淺葱色あさぎいろの股引は海藻もくづつゞつたやうにつぎだらけです。
海藻わかめつづったような、恐ろしい襤褸ぼろが、二三枚無いことはありませんでしたが、五月になるとそれを剥がれて、陽の当るうちは、岩の上でも、藪の中でも
裸身の女仙 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)