“のり”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ノリ
語句割合
34.3%
海苔19.3%
18.6%
5.9%
3.4%
3.4%
血糊2.6%
2.1%
1.8%
1.0%
0.8%
0.5%
血潮0.5%
規矩0.5%
0.5%
0.5%
鮮血0.5%
法度0.3%
0.3%
0.3%
0.3%
0.3%
垂訓0.3%
0.3%
憲法0.3%
法憲0.3%
海藻0.3%
漿0.3%
0.3%
0.3%
0.3%
0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
したがって生計上に困ることは自然の理で、ようやくその日をのりする位のもので、さらに他を顧みるひまもなかったことでありました。
原稿料なんか一文も要らん。上等の日本酒と海苔のりと醤油があれば宜しい。はや生乾なまびが好きなんだが、コイツはちょっと無かろうて……。
超人鬚野博士 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
のりの道場に呉越ごえつはない。一視いっしみな御仏みほとけの子じゃ。しかるに、そこもとたちがひきおこした戦争のために、殺された者はそのかずも知れん。
私本太平記:13 黒白帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
駿河台の老婦人は、あわれ玉の輿こしに乗らせたまうべき御身分なるに、腕車くるまに一人のり軽々かろがろしさ、これを節倹しまつゆえと思うは非なり。
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
もう、一面に算を乱して、溝泥どぶどろ擲附たたきつけたようなのりの中に、伸びたり、縮んだり、転がったり、何十人だか数が分りません。——
星女郎 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
四十にしてまどわず。五十にして天命を知る。六十にして耳したがう。七十にして心の欲する所に従えどものりえずと。——為政篇——
論語物語 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
「ウム、さし当って、血止めはギリギリと巻いておいた。だが、おれの手は血糊のりでヌラヌラしてきたから、貴公、少しの間代ってくれ」
鳴門秘帖:02 江戸の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
今人こんじんは今人のみ、古人ののりに従ふを要せずと。もつともの事なり。後人こうじんまたく言はんか、それも尤もの事なり。
青眼白頭 (新字旧仮名) / 斎藤緑雨(著)
堤の下で「おのりなさい」と言つたぎり彼は舟中僕に一語を交へなかつたから、僕は何の爲めに徳二郎が此處に自分を伴ふたのか少しも解らない、然し言ふまゝに舟を出た。
少年の悲哀 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
を思うさえ恋となる、天上ののりを越えて、おきてを破って、母君が、雲の上の高楼たかどのの、玉の欄干らんかんにさしかわす、かつらの枝を引寄せて、それにすがって御殿の外へ。
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ひとり空手むなでに、山姫やまびめのりをこそ
白羊宮 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫薄田淳介(著)
願ふと云ふもしのなきことに他人に有ながら當家へ養子やうしに來た日よりあつ深切しんせつくして呉し支配人なる久八へ鳥渡成ちよつとなりとも書置かきおきせんとありあふすゞり引寄ひきよせて涙ながらに摺流すりながすみさへうすにしぞとふで命毛いのちげみじかくも漸々やう/\したゝをはりつゝふうじるのりよりのりみち心ながら締直しめなほす帶の博多はかたの一本獨鈷どつこ眞言しんごん成ねど祕密ひみつの爲細腕ほそうで成ども我一心長庵如き何の其いは
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
血潮のりに滑りし夫鳥つまどり
若菜集 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
などのなかで、武家家族として共々にその家憲かけん作法さほう規矩のりにしばられていなければならなかったこの長い月日が、口にもいえぬ気苦労であったり、情けなさであったらしい。
私本太平記:13 黒白帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そり(字彙)禹王うわう水ををさめし時のりたる物四ツあり、水にはふねりくには車、どろにはそり、山にはかんじき。(書経註)しかれば此そりといふもの唐土もろこしの上古よりありしぞかし。
十八歳にして父を喪いその家を嗣いだが、主家の権臣一柳左京の憎むところとなり、遂に主家を去って赤坂の某処に住し家塾を開き、かたわら板下はんしたを書いてわずかに口をのりしていた。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
と云って、見ると、持ってる一刀が真赤に鮮血のりみて居るので、ハッとお驚きになるとえいが少しめまして
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
10 これにわが法度のりを定めかん及び門を設けて、11 いわくここまでは来るべし、ここを越ゆべからず、なんじ高浪たかなみここにとどまるべしと。
ヨブ記講演 (新字新仮名) / 内村鑑三(著)
しかるに見よ「わが法度のり」はげんとしてそこに立つ。神は「関及び門」をそこに設け給うてあやまらない。
ヨブ記講演 (新字新仮名) / 内村鑑三(著)
一〇〇したしきをはかるべきのりにもたがひて、筆の跡だもれ給はぬ叡慮みこころこそ、今はひさしきあたなるかな。
夫れ大人ひじりのりを立つる、ことわり必ず時に随ふ。いやしくも民にくぼさ有らば、何ぞ聖造ひじりのわざたがはむ。まさ山林やま披払ひらきはら宮室おほみや経営をさめつくりて、つゝしみて宝位たかみくらゐに臨み、以て元元おほみたからを鎮むべし。
二千六百年史抄 (新字旧仮名) / 菊池寛(著)
彼の「のりなればともかしこし鶯の宿はと問はばいかに答へむ」という故事のあったために鶯宿梅の名も生じ
植物記 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
他に新姻ありし家あれば又いた式前しきまへのごとし。此神使はかの花水をたまふ事を神より氏子へのり給ふの使つかひ也。
いや果の ひたふるおもひ 父王かそきみの 垂訓のりたがはじと 賜ひし身はや
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)
まだその頃は女子によし生るとも父の恐れとならざりき、その婚期ときその聘禮おくりものいづれものりえざりければなり 一〇三—一〇五
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
や いつくしく 祈りたまへる 憲法のりみれば 尊きろかも ふみよめば 涙しながる すべなきは 世のうつろひや われはも しのびまつりて 青によし 奈良山を
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)
「此の事なんぢにありしにる、またなんぢわが契約をわが爾に命じたる法憲のりを守らざりしによりて、我必ず爾より国を裂きはなして、これを爾の臣僕けらいに与ふべし。」
けれどもが、さし向かえば、の尊敬をするわけでもない、自他平等、海藻のりのつくだ煮の品評に余念もありません。
号外 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
煎じ詰めるとこの一篇は本伝というべきものだが、わたしの文章の著想ちゃくそうからいうと文体が下卑ていて「車を引いて漿のりを売る人達」が使う言葉を用いているから、そんな僭越な名目はつかえない。
阿Q正伝 (新字新仮名) / 魯迅(著)
国軍くにいくさ弥征いやゆのりに……」
新書太閤記:02 第二分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
青苔あおごけ緑青ろくしょうがぶくぶく禿げた、湿ったのりの香のぷんとする、山の書割の立て掛けてある暗い処へ凭懸よっかかって、ああ、さすがにここも都だ、としきりに可懐なつかしじった。
南地心中 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
よこしま多き時は自らのりを立つることなかれと。けだし、泄冶の場合にあてはまるようだな。
弟子 (新字新仮名) / 中島敦(著)
二氣の正しきに乘り、五行のつぎてととのへ、あやしき理をけてひとすすめ、すぐれたるのりを敷きて國を弘めたまひき。