“獨鈷”のいろいろな読み方と例文
新字:独鈷
読み方割合
どつこ66.7%
とつこ33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「猫又法印に當りました。主人の殺された部屋の眞つ下に陣取り、下手人を斬り殺すんだと言つて、馬糞まぐそ臭い抹香まつかうを一升五合ばかりも焚き、獨鈷どつこを横喰へに、揉みに揉んでの荒行ですよ」
願ふと云ふもしのなきことに他人に有ながら當家へ養子やうしに來た日よりあつ深切しんせつくして呉し支配人なる久八へ鳥渡成ちよつとなりとも書置かきおきせんとありあふすゞり引寄ひきよせて涙ながらに摺流すりながすみさへうすにしぞとふで命毛いのちげみじかくも漸々やう/\したゝをはりつゝふうじるのりよりのりみち心ながら締直しめなほす帶の博多はかたの一本獨鈷どつこ眞言しんごん成ねど祕密ひみつの爲細腕ほそうで成ども我一心長庵如き何の其いは
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
……で、すこしきしをさがつたところで、中流ちうりう掛渡かけわたした歩板あゆみいたわたると、其處そこ木小屋きごやはしらばかり、かこひあらい「獨鈷とつこ。」がある。
雨ふり (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
あんずるに、これ修善寺しゆぜんじ温泉いでゆける、河鹿かじか蜃氣樓しんきろうであるらしい。かた/″\、そんなことはあるまいけれども、獨鈷とつこかゝ状態じやうたいをあてにして、おかけにつては不可いけない。……
雨ふり (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)