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掛渡
……で、すこし
岸をさがつた
處で、
中流へ
掛渡した
歩板を
渡ると、
其處に
木小屋の
柱ばかり、
圍の
疎い「
獨鈷の
湯。」がある。
受取
屏風圍ひの内へ
控へさせ
置平民の分は
白洲の
溜りへ控へたり時に案内に隨ひ
各自吟味の席に
罷り出れば白洲には雨
障子を高く
掛渡し御座敷
向的歴なる事
誠に目を
座頭申すやう、
吾等去年、
音にきゝし
信濃なる
彼の
木曾の
掛橋を
通り
申すに、
橋杭立ち
申さず、
谷より
谷へ
掛渡しの
鉄の
鎖にて
繋ぎ
置き
申候。