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乗
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のり
ふりがな文庫
“
乗
(
のり
)” の例文
旧字:
乘
もちろん普通には
乗
(
のり
)
こなしているに違いないが、他の連中の馬術があまり達者過ぎるために、際立って危なっかしく無調法に見える。
暗黒公使
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
駿河台の老婦人は、あわれ玉の
輿
(
こし
)
に乗らせたまうべき御身分なるに、
腕車
(
くるま
)
に一人
乗
(
のり
)
の
軽々
(
かろがろ
)
しさ、これを
節倹
(
しまつ
)
ゆえと思うは非なり。
貧民倶楽部
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
立ててみたものだ。これからひとつ、そのもくろみによって、お前と
乗
(
のり
)
になって、一商売をはじめてみようと思うのだが——
大菩薩峠:29 年魚市の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
電車の
乗
(
のり
)
かえ切符を手にもちながら、それをどれだけ細かく引裂けるものであるかということを試すもののように、タテに裂いたり横にちぎったりしながら
幻影の都市
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
此のお方がまだ芳野へお
乗
(
のり
)
こみにならぬ前、
磐城
(
いわき
)
と申す軍艦にお
在
(
いで
)
あそばし品川に
碇泊
(
ていはく
)
なされまする折、和国楼で一夜の愉快を
尽
(
つく
)
されましたときに出たのが花里で
根岸お行の松 因果塚の由来
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
▼ もっと見る
一昨年
(
おととし
)
の夏わが休暇たまはりてここに来たりし頃、城の一族とほ
乗
(
のり
)
せむと出でしが、イイダの君が白き
駒
(
こま
)
すぐれて
疾
(
と
)
く、われのみ
継
(
つ
)
きゆくをり、狭き道のまがり角にて
文づかひ
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
いったいが、女というものは本来そうある筈で、必死の大事となると、人まかせでは安心できず、喉笛に食いつくぐらいの意気込みで、相手怖れず
乗
(
のり
)
だす性質のものである。
ジロリの女
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
「おッとッとッと。そう
乗
(
のり
)
出
(
だ
)
しちゃいけない。
垣根
(
かきね
)
がやわだ。
落着
(
おちつ
)
いたり、
落着
(
おちつ
)
いたり」
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
『山岡屋、てめえ、
煙管
(
きせる
)
を
斜
(
しゃ
)
につかんで、何うする気だ。——七百両を
乗
(
のり
)
でゆけば、取り分は半分になる。勿体ねえから嫌だというんだ。おらあ一人であの金を
揚
(
あ
)
げるんだから』
魚紋
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
それから、今日この人があの二階で消え失せてしまった秘密も、君には説明する
迄
(
まで
)
もなかろう。やっぱり同じ方法で、今度はS村とは反対の方角へ、無蓋貨車のただ
乗
(
のり
)
をやったのだよ。
鬼
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
踊
(
をどり
)
といふも
桶
(
をけ
)
の
中
(
うち
)
に
芋
(
いも
)
を
洗
(
あら
)
ふがごとし。ゆゑに人みな
満身
(
みうち
)
に
汗
(
あせ
)
をながす。第七をどり目にいたりて
普光寺
(
ふくわうじ
)
の
山長
(
やまをとこ
)
(
耕夫
(
さくをとこ
)
の長をいふ)手に
簓
(
さゝら
)
を
持
(
もち
)
、人の
手輦
(
てぐるま
)
に
乗
(
のり
)
て人のなかへおし入り
大音
(
だいおん
)
にいふ。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
若いころは、将軍家光の頭をポカンとなぐって、高慢のはなをくじいたり、大洪水の隅田川を、馬上に
乗
(
のり
)
きって家光の
御感
(
ぎょかん
)
にあずかったり、正直一途ではあるが、武勇のうわさ高いとのさまです。
幻術天魔太郎
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
忠一は衾の上から
乗
(
のり
)
かかって押えた。が、何しろ暗いので始末が悪い。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
乾鮭
(
からさけ
)
の大きな奴を
太刀
(
たち
)
の如くに腰に
佩
(
お
)
び、裸同様のあさましい姿で、
痩
(
や
)
せた
牝牛
(
めうし
)
の上に
乗
(
のり
)
跨
(
また
)
がり、えらそうな顔をして先駆の列に立って、都大路の諸人環視の中を堂々と打たせたから、群衆は呆れ
連環記
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
オーガン大佐は、A国で一番上手な潜水艦
乗
(
のり
)
だ。三年前に、大使館の武官になって、東京にいたことがあるから、末山大将をよく知っている。そして、昔の武士のような末山大将が、大すきなのだ。
昭和遊撃隊
(新字新仮名)
/
平田晋策
(著)
あとの僕等と
女画家
(
ぢよぐわか
)
とはドリヷル夫婦の自動車に相
乗
(
のり
)
してモンマルトルへ帰つた。文豪の誕生日の一
夜
(
や
)
を想ひ
掛
(
が
)
けなく
斯様
(
かやう
)
に面白く過ごしたのは栄誉である。
而
(
さ
)
うして
此
(
この
)
日は僕の誕生日でもあつた。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
飛行機
乗
(
のり
)
になるんだ
未刊童謡
(新字旧仮名)
/
野口雨情
(著)
程なく漕ぎ寄せたのは弁天橋であった、船頭は
舳
(
へさき
)
へ
乗
(
のり
)
かえ、
棹
(
さお
)
を引いて横づけにする、水は船底を
嘗
(
な
)
めるようにさらさらと引いて石垣へだぶり。
葛飾砂子
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
踊
(
をどり
)
といふも
桶
(
をけ
)
の
中
(
うち
)
に
芋
(
いも
)
を
洗
(
あら
)
ふがごとし。ゆゑに人みな
満身
(
みうち
)
に
汗
(
あせ
)
をながす。第七をどり目にいたりて
普光寺
(
ふくわうじ
)
の
山長
(
やまをとこ
)
(
耕夫
(
さくをとこ
)
の長をいふ)手に
簓
(
さゝら
)
を
持
(
もち
)
、人の
手輦
(
てぐるま
)
に
乗
(
のり
)
て人のなかへおし入り
大音
(
だいおん
)
にいふ。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
『
兄哥
(
あにき
)
。……何もそう俺は
尖
(
とが
)
っているんじゃねえ。おめえの枕元で、あんな話をしたというのも、これや
矢張
(
やっぱ
)
り、おめえにも運があったと云うもんだ、どうだ。この仕事は、
乗
(
のり
)
で行こうじゃねえか』
魚紋
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
とんとん拍子に
乗
(
のり
)
が来て、深川夫人は
嫣然顔
(
にこにこがお
)
、人いきりに面
熱
(
ほて
)
りて、
瞼
(
めのふち
)
ほんのり、
生際
(
はえぎわ
)
に
膏
(
あぶら
)
を浮べ、四十
有余
(
あまり
)
の
肥大
(
でっかい
)
紳士に御給仕をしたまいながら
貧民倶楽部
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
しかし馬車で
乗
(
のり
)
つけたのは、
昨夜
(
ゆうべ
)
伊予紋へ、少将の夫人の
使
(
つかい
)
をした、
橘
(
たちばな
)
という女教師と、一名の医学士であった。
註文帳
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
越中
(
ゑつちう
)
密
(
ひそか
)
に
立
(
た
)
つて
鐙
(
あぶみ
)
をはづし、
座頭
(
ざとう
)
がしつぺいを
鐙
(
あぶみ
)
の
鼻
(
はな
)
にて
受
(
う
)
くる。
座頭
(
ざとう
)
乗
(
のり
)
かけ
声
(
こゑ
)
をかけ
怪力
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
私
(
てまえ
)
もずッと
乗
(
のり
)
が来て、もう一ツお
食
(
あが
)
んなさい、と自分も
撮
(
つま
)
みながら勧めました。
式部小路
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
と
暢気
(
のんき
)
なもので別れて行った。意を了して、その頃
同朋町
(
どうぼうちょう
)
に
店借
(
たながり
)
をしていた長屋に
引返
(
ひっかえ
)
して、残りの荷物を
纏
(
まと
)
めたが、自分の本箱やら、机やら、二人
乗
(
のり
)
には積み切れないで、引越車をまた一輛。
湯島詣
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
乗
常用漢字
小3
部首:⼃
9画
“乗”を含む語句
乗掛
乗馬
名乗
上乗
乗客
乗合自動車
乗合
船乗
合乗
相乗
乗組
乗組員
乗出
乗込
乗越
馬乗
便乗
岩乗
乗換
乗切
...