“乗客”のいろいろな読み方と例文
旧字:乘客
読み方割合
のりて35.3%
じょうきゃく29.4%
じようかく17.6%
ひと11.8%
じょうかく5.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
で、小松島から蒸汽に乗……ったのはいゝんですが、これがまた、勘定するほどしか乗客のりてがありません。ガランとしております。
春泥 (新字新仮名) / 久保田万太郎(著)
すこしも乗客じょうきゃくわずらわさんようにつとめているおれか、それともこんなに一人ひとり大騒おおさわぎをしていた、たれにも休息きゅうそくもさせぬこの利己主義男りこしゅぎおとこか?』
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
汽車に乗つても、電車に乗つても、乗客じようかくは石川氏のカーキ色洋服を見ると、吾がちにすつと立つて席を譲らうとした。石川氏は一寸会釈して平気でそこに腰をかけた。
それから汽車に乗っている間、窓の枠に頭をもたして、乗客ひとの顔の見えない方ばかりに眼をやってじっと思いに耽っていた。
別れたる妻に送る手紙 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
余は車に揺られながら、乗客じょうかくの神経に相応の注意を払わない車夫は、いかによくけたって、ついに成功しない車夫だと考えた。
満韓ところどころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)