乗客じょうきゃく)” の例文
旧字:乘客
すこしも乗客じょうきゃくわずらわさんようにつとめているおれか、それともこんなに一人ひとり大騒おおさわぎをしていた、たれにも休息きゅうそくもさせぬこの利己主義男りこしゅぎおとこか?』
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
電車でんしゃには、乗客じょうきゃくが、すずなりにつかまっているし、トラックは、おもそうなをいっぱいつんではしるし、自転車じてんしゃは、たがいに競争きょうそうするように、前後ぜんごにとんでいるのでした。
考えこじき (新字新仮名) / 小川未明(著)
もしなにかまちがいでもあろうものなら、何百人もの乗客じょうきゃくたちのいのちにかかわるんです。
ばかな汽車 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
その乗客じょうきゃくたちの運命うんめいは、まったく、自分ひとりのうでにあるといっていい。
くまと車掌 (新字新仮名) / 木内高音(著)
そうです、汽車きしゃが、とおっています。まちからさびしい野原のはらへ、野原のはらからやまあいだを、やすまずにとおっています。そのなかっている乗客じょうきゃくは、たいていとおいところへたびをする人々ひとびとでした。
ある夜の星たちの話 (新字新仮名) / 小川未明(著)