乗客ひと)” の例文
旧字:乘客
それから汽車に乗っている間、窓の枠に頭をもたして、乗客ひとの顔の見えない方ばかりに眼をやってじっと思いに耽っていた。
別れたる妻に送る手紙 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
そしたら次の駅につくと、すぐあたいのそばにまた寄って来て、たくさん乗客ひとのいる中でも平気でいうんです。
蜜のあわれ (新字新仮名) / 室生犀星(著)