“じょうかく”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
城廓55.6%
城郭37.0%
乗客3.7%
上客3.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
一方の端に何となく城廓じょうかくを思わせる様な大きな屋根があって、その側に白く光っているのが、問題の諸戸屋敷の土蔵らしかった。
孤島の鬼 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
同じ荒廃した光景でも名高い宮殿や城郭じょうかくならば三体詩さんたいしなぞで人も知っているように
余は車に揺られながら、乗客じょうかくの神経に相応の注意を払わない車夫は、いかによくけたって、ついに成功しない車夫だと考えた。
満韓ところどころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
もう七八分すると、余の船は全く営口丸を乗り切る事ができそうに思われた。時に約一丁もあろうと云う船と船の間隔が妙にせまって来た。向うの甲板にいる乗客じょうかくの影がたしか勘定かんじょうができるようになった。
満韓ところどころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
花の中なる枯木こぼくと観じて、独り寂寞じゃくまくとして茶を煮るおうな、特にこの店に立寄る者は、伊勢平氏の後胤こういんか、北畠きたばたけ殿の落武者か、お杉お玉の親類のはずを、思いもかけぬ上客じょうかくにん引手夥多ひくてあまた彼処かしこを抜けて
伊勢之巻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)