“へだて”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
77.4%
差別3.8%
3.8%
間隔3.8%
3.8%
城郭1.9%
距離1.9%
隔意1.9%
隔膜1.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
私達はすぐにへだてのない仲になった。鳴尾君は私のことを「案山居士」などと云った。山田の中の一本足の案山子かかしのことである。
西隣塾記 (新字新仮名) / 小山清(著)
兄弟と言つても双生兒だから、何方が兄何方が弟と言つたところで、確かな差別へだてのある筈は無い、親父の溜めた身上しんしやう、皆んなと言はないから、せめて半分よこせ——と斯う言ふのでございます。
陸に残された仲間のものは徒歩で日を重ねながらやって来た。約束のユウフツの港をへだてること二十里の手前——そのため彼らは予定した陸行の踏みわけ道をそれだけ多く歩かねばならぬ破目におちた。
石狩川 (新字新仮名) / 本庄陸男(著)
恋に間隔へだては無いとは云え、此方こっち宿無やどなしの乞食も同様で、山𤢖やまわろの兄弟分とも云うべき身の上では、余りに間隔へだてが有り過ぎて、到底とてもお話にも相談にもなる訳のもので無い。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
九段くだんの内もつとも地にちかき所を太陰天たいいんてんといふ。(地をる事高さ四十八万二千五百里といふ)太陰天と地とのあひだに三ツのへだてあり、天にちかき熱際ねつさいといひ、中を冷際れいさいといひ、地にちかき温際をんさいといふ。
左様さういふ風だから、後進の丑松に対しても城郭へだてを構へない。放肆ほしいまゝに笑つたり、嘆息したりして、日あたりの好い草土手のところへ足を投出し乍ら、自分の病気の話なぞを為た。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
ほかの男はお前さんとはちがって世馴よなれているから、わたしの財産に目をつけないとも限らない。それゆえ家へは入れずに、距離へだてを置いて、外でっているのだ。
ひかげの花 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
見るほど何ゆえとも知らねどいよいようとましき辰弥に、かくまで語らい寄る父の恨めしく、隔意へだてを置かぬ母の口惜くやしく、心やすげなる姉の憎く、笑顔を見する兄の喰いつきてもやりたく
書記官 (新字新仮名) / 川上眉山(著)
お互に隔膜へだてが出来ないようにと希望する…………けれども私はまた彼らが同じようになるとしても、決して私のような苦しみと放浪の生活をするようになることを願わないし
故郷 (新字新仮名) / 魯迅(著)