トップ
>
隔
>
へだて
ふりがな文庫
“
隔
(
へだて
)” の例文
思ひ付お兼に
對
(
むか
)
ひ扨々其方の
智慧
(
ちゑ
)
の程
感心
(
かんしん
)
せり其
働
(
はたらき
)
にては女房にしても末頼
母敷
(
もしく
)
思ふなり夫に
就
(
つい
)
て爰に一ツの相談あり夫婦の中に隱し
隔
(
へだて
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
私達はすぐに
隔
(
へだて
)
のない仲になった。鳴尾君は私のことを「案山居士」などと云った。山田の中の一本足の
案山子
(
かかし
)
のことである。
西隣塾記
(新字新仮名)
/
小山清
(著)
二人は勝手への
隔
(
へだて
)
の敷居に両手を突いて、『お早エなつす。』を口の中だけに言つて挨拶をすると、お吉は可笑しさに
些
(
ちよつ
)
と横向いて笑つたが
天鵞絨
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
一 若き時は夫の親類友達
下部
(
しもべ
)
等の
若男
(
わかきおとこ
)
には打解けて
物語
(
ものがたり
)
近付
(
ちかづく
)
べからず。男女の
隔
(
へだて
)
を
固
(
かたく
)
すべし。如何なる用あり共、若男に文など
通
(
かよわ
)
すべからず。
女大学評論
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
その場へ踏み込み
扶
(
たす
)
けてくりょうと、いきなり
隔
(
へだて
)
の
襖
(
ふすま
)
を開けて、次の間へ飛込むと、広さも、様子も同じような部屋、また同じような襖がある。
湯女の魂
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
かの橋柱は
後
(
のち
)
に
御領主
(
ごりやうしゆ
)
の
御蔵
(
ごぞう
)
となりしとぞ。
椎谷
(
しひや
)
は
余
(
よ
)
が
同国
(
どうこく
)
なれども幾里を
隔
(
へだて
)
たれば其
真物
(
しんぶつ
)
を
不見
(
みず
)
、今に
遺憾
(
ゐかん
)
とす。
姑
(
しばらく
)
伝写
(
でんしや
)
の
図
(
づ
)
を以てこゝに
載
(
のせ
)
つ。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
と云って逃げようとするおあさの
髻
(
たぶさ
)
を取って、二畳の座敷へ
引摺
(
ひきず
)
り込み、
隔
(
へだて
)
の
襖
(
ふすま
)
を
閉
(
た
)
てましたが、これから
如何
(
いかゞ
)
なりましょうか、
次回
(
つぎ
)
に述べます。
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
彼の下にフランチュスコ、ベネデット、アウグスティーノ、及びその他の人々
定
(
さだめ
)
によりてかく
隔
(
へだて
)
て、圓より圓に下りて遂にこの處にいたる 三四—三六
神曲:03 天堂
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
影とも
儚
(
はかな
)
く
隔
(
へだて
)
の関の遠き恋人として
余所
(
よそ
)
に朽さんより、近き他人の前に己を殺さんぞ、同く受くべき苦痛ならば、その忍び易きに就かんと
冀
(
こひねが
)
へるなり。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
一つには
草臥
(
くたびれ
)
も
出
(
で
)
た
爲
(
ため
)
でもあるが
僅
(
わづか
)
一
日
(
にち
)
の
隔
(
へだて
)
で
彼
(
かれ
)
は
俄
(
にはか
)
に
年齡
(
とし
)
をとつた
程
(
ほど
)
げつそりと
窶
(
やつ
)
れたやうな
心持
(
こゝろもち
)
に
成
(
な
)
つた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
亜米利加
(
アメリカ
)
から
欧羅巴
(
ヨウロツパ
)
まで、荒き浮世の波風を
凌
(
しの
)
ぎ廻つて、今日コヽに同じ境遇の人達と
隔
(
へだて
)
なく語り合つて居るのです、私の近き血縁を云へば
只
(
たつ
)
た一人の伯母がある
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
入口
(
いりぐち
)
から三
間許
(
げんばか
)
り
隔
(
へだて
)
て、
棒杭
(
ぼうぐひ
)
を
打
(
う
)
ち、
鐵條
(
てつでう
)
を
張
(
は
)
り、
人
(
ひと
)
を
入
(
い
)
らしめぬ
樣
(
やう
)
に
警戒
(
けいかい
)
を
依頼
(
いらい
)
されたのだ。
探検実記 地中の秘密:29 お穴様の探検
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
林は全く
黄葉
(
きば
)
み、
蔦紅葉
(
つたもみぢ
)
は、
真紅
(
しんく
)
に染り、霧起る時は
霞
(
かすみ
)
を
隔
(
へだて
)
て花を見るが如く、日光直射する時は露を帯びたる葉毎に幾千万の真珠碧玉を連らねて全山
燃
(
もゆ
)
るかと思はれた。
空知川の岸辺
(新字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
隔
(
へだて
)
の
襖
(
ふすま
)
だけは明けてある。片輪車の
友禅
(
ゆうぜん
)
の
裾
(
すそ
)
だけが見える。あとは
芭蕉布
(
ばしょうふ
)
の
唐紙
(
からかみ
)
で万事を隠す。
幽冥
(
ゆうめい
)
を仕切る
縁
(
ふち
)
は黒である。一寸幅に
鴨居
(
かもい
)
から
敷居
(
しきい
)
まで
真直
(
まっすぐ
)
に貫いている。
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
其まゝに大きくして、内の
媳
(
よめ
)
にするのが多い。
所謂
(
いわゆる
)
「
蕾
(
つぼみ
)
からとる
花嫁御
(
はなよめご
)
」である。一家総労働の農家では、主僕の間に
隔
(
へだて
)
がない様に、実の娘と養女の間に
格別
(
かくべつ
)
の
差等
(
さとう
)
はない。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
それから五分も経ったかと思うころ、
隔
(
へだて
)
の
扉
(
ドア
)
があいて、白髪の老紳士が部屋へあらわれた。
骸骨島の大冒険
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
何
(
なん
)
だか、
隔
(
へだて
)
の
或物
(
あるもの
)
を
撤
(
てつ
)
して、
直接
(
ぢか
)
に
私
(
わたし
)
に
接
(
せつ
)
して
見
(
み
)
やうとする
様子
(
やうす
)
が、
歴々
(
あり/\
)
と
素振
(
そぶり
)
に
見
(
み
)
える。
背負揚
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
心に物を思えばか、
怏々
(
おうおう
)
たる顔の色、
動
(
ややと
)
もすれば
太息
(
といき
)
を吐いている折しも、表の
格子戸
(
こうしど
)
をガラリト開けて、案内もせず
這入
(
はい
)
ッて来て、
隔
(
へだて
)
の障子の
彼方
(
あなた
)
からヌット顔を差出して
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
一方の側は高い/\塀が中庭との
隔
(
へだて
)
をなし、も一方の側は桃の並木が
芝生
(
しばふ
)
との境をなしてゐた。
下手
(
しもて
)
の方には低い垣があつて、それがひつそりした耕地との唯一の境目であつた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
十間ばかり
隔
(
へだて
)
て、その次のはそれより少し脊が低くて、子供のような歩き方だ。また十間ばかり隔て最後の一人は長く黒髪を
後
(
あと
)
に
垂
(
たれ
)
ていて女のように思われた。その三人は、始終
俯向
(
うつむ
)
いていた。
北の冬
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
と、
枕頭
(
まくらもと
)
から右横になった仏壇の間との
隔
(
へだて
)
の
襖
(
ふすま
)
が
何時
(
いつ
)
ものように
開
(
あ
)
いて、また、
藍微塵
(
あいみじん
)
の
衣服
(
きもの
)
を着た女が幻燈に映し出されたようにはっきりと現れて、敷居の上あたりに坐って白い手を突きかけた。
藍微塵の衣服
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
と
隔
(
へだて
)
なく謂ツて苦笑する。
昔の女
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
二人は勝手への
隔
(
へだて
)
の敷居に兩手を突いて、『お早エなつす。』を口の中だけに言つて、挨拶をすると、お吉は可笑しさに
些
(
ちよつ
)
と横向いて笑つたが
天鵞絨
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
かの橋柱は
後
(
のち
)
に
御領主
(
ごりやうしゆ
)
の
御蔵
(
ごぞう
)
となりしとぞ。
椎谷
(
しひや
)
は
余
(
よ
)
が
同国
(
どうこく
)
なれども幾里を
隔
(
へだて
)
たれば其
真物
(
しんぶつ
)
を
不見
(
みず
)
、今に
遺憾
(
ゐかん
)
とす。
姑
(
しばらく
)
伝写
(
でんしや
)
の
図
(
づ
)
を以てこゝに
載
(
のせ
)
つ。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
隣の小猫はまた小猫で、それ井戸は隣と二軒で使うもんだから、あすこの
隔
(
へだて
)
から入って来ちゃあ、畳でも、板の間でも、ニャアニャア鳴いて
歩行
(
ある
)
くわ。
化銀杏
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
心掛候に付き
間
(
ま
)
も
隔
(
へだて
)
候へども伊豆守御役宅に於て天一坊樣御面部を
竊
(
ひそか
)
に拜し奉りしに御目と
頬
(
ほゝ
)
の間に
凶相
(
きようさう
)
あり
此
(
こ
)
は
存外
(
ぞんぐわい
)
なる
工
(
たく
)
みあるの相にて又
眼中
(
がんちう
)
に
赤筋
(
あかすぢ
)
有
(
あつ
)
て
瞳
(
ひとみ
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
またこなたには、天の淑女の榮光の座とその下の諸〻の座とがかく大いなる
隔
(
へだて
)
となるごとく 二八—三〇
神曲:03 天堂
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
と云い捨て、桑の煙草盆を持って立上り、
隔
(
へだて
)
の
襖
(
ふすま
)
を開けて
素気
(
そっけ
)
なく出て
往
(
ゆ
)
きます春見の姿を見送って、重二郎は思わず声を出して、ワッとばかりに泣き倒れまして
西洋人情話 英国孝子ジョージスミス之伝
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
彼の
隔
(
へだて
)
無く身近に
狎
(
な
)
るるを
可忌
(
うとま
)
しと思へば、貫一はわざと
寐返
(
ねがへ
)
りて、椅子を置きたる
方
(
かた
)
に向直り
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
其代
(
そのかは
)
りに
奧壁
(
おくかべ
)
から一
尺
(
しやく
)
二
寸
(
ずん
)
隔
(
へたて
)
て、一
列
(
れつ
)
に
石
(
いし
)
が
並
(
なら
)
べてあり、それから三
尺
(
じやく
)
を
隔
(
へだて
)
て、
又
(
また
)
第
(
だい
)
二
列
(
れつ
)
の
石
(
いし
)
が
列
(
なら
)
べてある。
其間
(
そのあひだ
)
に、
人骨
(
じんこつ
)
の
腐蝕
(
ふしよく
)
したのが二三
體
(
たい
)
泥
(
どろ
)
の
如
(
ごど
)
くなつて
横
(
よこた
)
はつて
居
(
ゐ
)
る。
鐵鏃
(
てつぞく
)
がある。
探検実記 地中の秘密:29 お穴様の探検
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
若
(
も
)
し
相愛
(
あいあい
)
していなければ、文三に親しんでから、お勢が言葉遣いを改め
起居動作
(
たちいふるまい
)
を変え、
蓮葉
(
はすは
)
を
罷
(
や
)
めて優に
艶
(
やさ
)
しく
女性
(
にょしょう
)
らしく成る
筈
(
はず
)
もなし、又今年の夏
一夕
(
いっせき
)
の情話に、我から
隔
(
へだて
)
の関を
取除
(
とりの
)
け
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
兄妹は
隔
(
へだて
)
なき眼と眼を見合せた。そうして同時に笑った。
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
正
(
まさ
)
に
驪山
(
りさん
)
に
入
(
い
)
つて
陛下
(
へいか
)
と
相抱
(
あひいだ
)
くべき
豊肥妖艶
(
ほうひえうえん
)
の
人
(
ひと
)
が
其
(
その
)
男
(
をとこ
)
に
対
(
たい
)
する
取廻
(
とりまは
)
しの
優
(
やさ
)
しさ、
隔
(
へだて
)
なさ、
親切
(
しんせつ
)
さに、
人事
(
ひとごと
)
ながら
嬉
(
うれ
)
しくて、
思
(
おも
)
はず
涙
(
なみだ
)
が
流
(
なが
)
れたのぢや。
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
水中
(
すゐちゆう
)
より
青
(
あを
)
き火
閃々
(
ひら/\
)
ともえあがりければ、こは
亡者
(
まうじや
)
の
陰火
(
いんくわ
)
ならんと目を
閉
(
とぢ
)
てかねうちならし、しばらく念仏して目をひらきしに、橋の上二
間
(
けん
)
ばかり
隔
(
へだて
)
て
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
見しが
慥
(
たしか
)
に三五郎奴成らんと三人
等
(
ひと
)
しく此方の
土手
(
どて
)
へ
駈
(
かけ
)
よりて見れば二三町
隔
(
へだて
)
て西の村を
差
(
さし
)
て
迯行
(
にげゆく
)
者あり掃部は彌々
彼奴
(
あいつ
)
に相違無し
是々
(
これ/\
)
藤兵衞
飛脚
(
ひきやく
)
を立て
家
(
うち
)
へ此ことを
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
という声を聞き附け、奥より角右衞門が出てまいり、物をも云わず御新造の手を取って奥へ引入れ、縁側の
隔
(
へだて
)
の障子をパッタリと
閉切
(
たてき
)
ってしまいましたから、多助は呆然として
塩原多助一代記
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「魔よけだと申しますから、かたがた。……では蚊帳の中を一つ。……あとでは
隔
(
へだて
)
へ
襖
(
ふすま
)
を入れますつもりです。」
露萩
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
二里あまり
隔
(
へだて
)
たる村より十九歳の
娵
(
よめ
)
をむかへしに、
容姿
(
すがた
)
憎
(
にく
)
からず
生質
(
うまれつき
)
柔従
(
やはらか
)
にて、
糸織
(
いとはた
)
の
伎
(
わざ
)
にも
怜利
(
かしこ
)
ければ
舅
(
しうと
)
姑
(
しうとめ
)
も
可愛
(
かあい
)
がり、
夫婦
(
ふうふ
)
の中も
睦
(
むつまし
)
く
家内
(
かない
)
可祝
(
めでたく
)
春をむかへ
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
馬の上に乗って斯う応対致すに、立派なお身柄でも
草原
(
くさはら
)
へ下りて、大地へ頭を摺附けて其の如くお詫なさるが、そこが善と悪との
隔
(
へだて
)
で、貴方が今にも御改心なされば山三郎土下座を致して
松の操美人の生埋:02 侠骨今に馨く賊胆猶お腥し
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
隔
(
へだて
)
の襖は裏表、両方の肩で
圧
(
お
)
されて、すらすらと三寸ばかり、暗き柳と、曇れる花、
淋
(
さみ
)
しく顔を見合せた、トタンに
跫音
(
あしおと
)
、続いて跫音、夫人は
衝
(
つ
)
と
退
(
の
)
いて小さな
咳
(
しわぶき
)
。
伊勢之巻
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
隔
(
へだて
)
の
襖
(
ふすま
)
を明けて這入った人の
扮装
(
なり
)
はじゃがらっぽい
縞
(
しま
)
の小袖にて、まア其の頃は
御召縮緬
(
おめしちりめん
)
が相場で、
頭髪
(
あたま
)
は達磨返しに、一寸した玉の附いた
簪
(
かんざし
)
を
揷
(
さ
)
し
散斑
(
ばらふ
)
の
斑
(
ふ
)
のきれた
櫛
(
くし
)
を横の方へよけて揷しており
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
その男に対する取廻しの優しさ、
隔
(
へだて
)
なさ、
深切
(
しんせつ
)
さに、
人事
(
ひとごと
)
ながら
嬉
(
うれ
)
しくて、思わず涙が流れたのじゃ。
高野聖
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
お次の
隔
(
へだて
)
を開けて両手を
支
(
つか
)
え
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「
可恐
(
おそろ
)
しい
唸
(
うなり
)
じゃな。」と
呟
(
つぶや
)
いて、一
間口
(
けんぐち
)
の
隔
(
へだて
)
の障子の中へ、腰を曲げて
天窓
(
あたま
)
から入ると
黒百合
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
と云いながら
隔
(
へだて
)
の
襖
(
ふすま
)
を明け
西洋人情話 英国孝子ジョージスミス之伝
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
小さな帳場格子の内から
衝
(
つ
)
と浴衣の
装
(
なり
)
で立つと
斉
(
ひと
)
しく、
取着
(
とッつき
)
に
箪笥
(
たんす
)
のほのめく次の間の
隔
(
へだて
)
の
葭簀
(
よしず
)
を
蓮葉
(
はすは
)
にすらりと引開けて、ずっと入ると暗くて涼しそうな中へ、姿は消えたが
三枚続
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
ぴつたり
閉
(
し
)
めた
襖
(
ふすま
)
一
枚
(
まい
)
……
臺所
(
だいどころ
)
へ
續
(
つゞ
)
くだゞつ
廣
(
ぴろ
)
い
板敷
(
いたじき
)
との
隔
(
へだて
)
に
成
(
な
)
る……
出入口
(
ではひりぐち
)
の
扉
(
ひらき
)
があつて、むしや/\と
巖
(
いは
)
の
根
(
ね
)
に
蘭
(
らん
)
を
描
(
ゑが
)
いたが、
年數
(
ねんすう
)
算
(
さん
)
するに
堪
(
た
)
へず、で
深山
(
みやま
)
の
色
(
いろ
)
に
燻
(
くす
)
ぼつた、
引手
(
ひきて
)
の
傍
(
わき
)
に
霰ふる
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
裏の木戸口を
隔
(
へだて
)
にて、庭続の隣家の殿、かつて政事をも預りしが行年ここに五十六、我
老
(
おい
)
たりと
冠
(
かん
)
を
挂
(
か
)
けて幕の
裡
(
うち
)
に
潜
(
ひそ
)
みたまえど、時々黒頭巾出没して、国五郎という身で人形を使わせらる。
貧民倶楽部
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
ぴったり閉めた襖一枚……台所へ続くだだっ広い板敷との
隔
(
へだて
)
になる……
出入口
(
ではいりぐち
)
の
扉
(
ひらき
)
があって、むしゃむしゃと
巌
(
いわ
)
の根に蘭を描いたが、年数
算
(
さん
)
するに
堪
(
た
)
えず、で
深山
(
みやま
)
の色に
燻
(
くす
)
ぼった、
引手
(
ひきて
)
の
傍
(
わき
)
に
霰ふる
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
独
(
ひと
)
り婚礼に至りては、儀式上、
文字上
(
もんじじやう
)
、別に何等の愛ありて存するにあらず。
唯
(
たゞ
)
男女相会して、粛然と
杯
(
さかづき
)
を
巡
(
めぐ
)
らすに過ぎず。人の
未
(
いま
)
だ結婚せざるや、愛は自由なり。
諺
(
ことわざ
)
に曰く「恋に上下の
隔
(
へだて
)
なし」と。
愛と婚姻
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
隔
常用漢字
中学
部首:⾩
13画
“隔”を含む語句
間隔
懸隔
隔意
遠隔
隔離
隔絶
分隔
隔日
隔心
隔子
相隔
隔膜
疎隔
隔世
隔靴掻痒
横隔膜
離隔
阻隔
隔在的
隔月
...