“陰火”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
いんくわ37.5%
いんか25.0%
おにび25.0%
けちび12.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
此地火一に陰火いんくわといふ。かの如法寺村によほふじむらの陰火も微風すこしのかぜいづるに発燭つけぎの火をかざせば風気ふうきおうじてもゆる、陽火やうくわざればもえず。
遠ざかって行く自動車のうしろに、陰火いんかのような二つの蛍火ほたるびが見えていた。[注、当時の自動車は箱型で、後部にすがりつくことができた]
人間豹 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
苦笑にがわらひをしてまた俯向うつむいた……フとくと、川風かはかぜ手尖てさきつめたいばかり、ぐつしよりらしたあたらしい、しろ手巾ハンケチに——闇夜やみだとはしむかうからは、近頃ちかごろきこえたさびしいところ卯辰山うたつやまふもととほる、陰火おにび
月夜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
その大きな男は天狗であったから木を伐りに往っていた者は病気になった。八番のあれと云う地曳網の網代になった処には、曇ってどんよりとした夜には陰火けちびがとろとろと燃えた。
(新字新仮名) / 田中貢太郎(著)