陰火けちび)” の例文
その大きな男は天狗であったから木を伐りに往っていた者は病気になった。八番のあれと云う地曳網の網代になった処には、曇ってどんよりとした夜には陰火けちびがとろとろと燃えた。
(新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
私の頭には八番の陰火けちびと云うことが思いだされた。と、また松の上に火のかたまりが見えて、見えたかと思うと、またばらばらに散った。私の頭はじゃんとして体が痺れたようになった。
(新字新仮名) / 田中貢太郎(著)