陰火いんくわ)” の例文
此地火一に陰火いんくわといふ。かの如法寺村によほふじむらの陰火も微風すこしのかぜいづるに発燭つけぎの火をかざせば風気ふうきおうじてもゆる、陽火やうくわざればもえず。
時にみねたにゆすり動きて、風叢林はやしたふすがごとく、沙石まさごそら巻上まきあぐる。見る見る一二七一段の陰火いんくわ、君がひざもとより燃上もえあがりて、山も谷も昼のごとくあきらかなり。
此地火一に陰火いんくわといふ。かの如法寺村によほふじむらの陰火も微風すこしのかぜいづるに発燭つけぎの火をかざせば風気ふうきおうじてもゆる、陽火やうくわざればもえず。
水中すゐちゆうよりあをき火閃々ひら/\ともえあがりければ、こは亡者まうじや陰火いんくわならんと目をとぢてかねうちならし、しばらく念仏して目をひらきしに、橋の上二けんばかりへだて
火脉くわみやく気息いき人間にんげん日用にちよう陽火ほんのひくはふればもえてほのほをなす、これを陰火いんくわといひ寒火かんくわといふ。寒火をひくかけひつゝこげざるは、火脉の気いまだ陽火をうけて火とならざる気息いきばかりなるゆゑ也。
此ほとり用水にとぼしき所にては、ひでりのをりは山について井をよこほりて水をる㕝あり、ある時井を掘て横にいたりし時あなくらきをてらすためにたいまつを用ひけるに、陽火やうくわ陰火いんくわたちまもえあがり