“眼中”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
がんちゅう55.6%
がんちう22.2%
がんちゆう11.1%
まなこ5.6%
めのなか5.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
当時日本人は、欧州人おうしゅうじんから見れば、まったく眼中がんちゅうになかったのであります。日本という国さえもみとめられてはいないくらいでした。
国際射的大競技 (新字新仮名) / 小酒井不木(著)
しくば明後日追放つゐはうの場所へいたり對面すべしかならず御府内にて麁相そさうなる儀いたすこと勿れとて下られけるに忠八は思はず眼中がんちうなみだ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
おれももう一ぺん小六ころくやうになつてたい」とつた。「此方こつちぢや、むかふおれやう運命うんめいおちいるだらうとおもつて心配しんぱいしてゐるのに、むかふぢや兄貴あにきなんざあ眼中がんちゆうにないからえらいや」
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
直次が驚愕おどろきに青ざめしおもてを斜に見下して、お蘭樣は冷やかなる眼中まなこに笑みをうかべて、水の底にも都のありと詠みてみかどを誘ひし尼君が心は知らず、我父は此世の憂きにあきて
暗夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
何度か寝返を打って、——さて眠られません。青々とした追憶おもいでのさまざまが、つい昨日のことのように眼中めのなかに浮んで来ました。もう私の心にはこの浮華はでな御家の御生活おくらしが羨しくも有ません。
旧主人 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)