“冀”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
こいねが45.3%
ねが23.3%
こいねがわ10.5%
こひねが9.3%
ねご3.5%
こひねがは2.3%
1.2%
こひねがひ1.2%
ねがは1.2%
ネガ1.2%
ネガワ1.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
此れ其友人門生等先師の墓標に文学博士の四字を記入せん事をこいねがい其の訃を秘してひそに学位授与の運動をなしたるによるものなりといえり。
偏奇館漫録 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
けれども彼らのあとに来る少年や幼童については、自分らの労苦の上に立って貰って、とにかく平担へいたんな道を安楽に歩かせたいとねがうのだ。
石狩川 (新字新仮名) / 本庄陸男(著)
駒ヶ岳の麓、台ヶ原の客舎に昼餐をおわりたる束の間に、禿筆をぶりて偶感を記す、その文を成さざる、こいねがわくは我が興の高きを妨ぐるなからむ。
山を讃する文 (新字旧仮名) / 小島烏水(著)
勝利をこひねがふ人間の精神を現すといふ点に於て「力」は高尚なものである。吾々はもう権利と「力」とを対立させる事をめなければけない。
点頭録 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
その僥倖をねごうてボンヤリしていたというに至っては、いかに彼が時勢に暗かったとは言え、むしろ滑稽千万な事ではあるまいか。
道鏡皇胤論について (新字新仮名) / 喜田貞吉(著)
彼はそのいつはりまこととを思ふにいとまあらずして、遣る方も無き憂身うきみの憂きを、こひねがはくば跡も留めず語りてつくさんと、弱りし心は雨の柳の、漸く風に揺れたるいさみして
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
支那にも北魏孝荘帝の時州の沙門法慶、新仏出世と称し乱をした(『仏祖統記』三八)。
その人は改善の人たれとこひねがひしを、貫一は今この家のぬしとなれるに、なほ先代の志をひるがへさずして、ますまさかんに例のむさぼりを営むなりき。しかれば彼と貫一との今日こんにち関繋かんけい如何いかなるものならん。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
ねがはくは来りてわが門をたゝくなかれ。
偏奇館吟草 (新字旧仮名) / 永井荷風永井壮吉(著)
ヒ→促音(「ネガひて」がネガテ、「掩ひて」がオホテ)、グ→ウ(「藁沓ワラグツ」がワラウヅ)などは院政時代からあらわれている。
国語音韻の変遷 (新字新仮名) / 橋本進吉(著)
資本金中二万株ハスデニ三井組小野組ヨリ入社セリ、一万株即チ一百万円ハ諸君ニ応ジ分割スベシ、諸君ネガワクバ協力同心シテ共ニ洪益コウエキハカランコトヲ
松のや露八 (新字新仮名) / 吉川英治(著)