こひねがは)” の例文
彼はそのいつはりまこととを思ふにいとまあらずして、遣る方も無き憂身うきみの憂きを、こひねがはくば跡も留めず語りてつくさんと、弱りし心は雨の柳の、漸く風に揺れたるいさみして
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
しかれども生がこの過激蛮野の行為を辞せず、一身の汚名をして、微衷を吐露し、あへて一言を薦むるものは、いささか深厚の知遇にむくゆるに外ならず。こひねがはくはこれを諒せよ。門下生某泣血頓首。
誰が罪 (新字旧仮名) / 清水紫琴(著)