こいねがわ)” の例文
駒ヶ岳の麓、台ヶ原の客舎に昼餐をおわりたる束の間に、禿筆をぶりて偶感を記す、その文を成さざる、こいねがわくは我が興の高きを妨ぐるなからむ。
山を讃する文 (新字旧仮名) / 小島烏水(著)
これより以下は人の田を作るべし、今より以後吾は神のはふりとなりて永代とこしえに敬祭せん、こいねがわくはたたるなかれ恨むなかれ云々
地名の研究 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
切にこいねがわくは世の閎覧こうらん博物の君子、指教をおしまず我儕の足らざるを補ひ、以て世に益するあらば幸甚。
承りましたが、不敏にしてまだまだ心腑に収め難いものが多くございます。こいねがわくはその要領を
法然行伝 (新字新仮名) / 中里介山(著)
こいねがわくば国民の選挙に対する態度が、帝国将来の運命に至大の関係を有することを深く考慮し、区々くくたる地方的感情や利己的小利害を棄てて、あくまで選挙の神聖を保つ事につとむると同時に
選挙人に与う (新字新仮名) / 大隈重信(著)
宣光不敏ニシテ唯負荷ノ任ニ堪ヘザルコトヲおそル。汝二、三ノ僚佐モマタ余ガ股肱ここうノ耳目ナリ。こいねがわクハ心ヲ同ジクシ力ヲあわセ余ガ及バザル所ヲ輔翼シ以テ聖旨ノ万分ノ一ニ報ズルコトアレト。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
父よ、こいねがわくは我をたすけわれを導いて、進んで世と戦うの勇者たらしめよ、かなしんでやぶらざるの孝子たらしめよ。ひそかにかく念じて、われは漸く墓門を出でたり。出ずるに臨みてまたおのずから涙あり。
父の墓 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
こいねがわくは殿下観覧を賜いて、安寧無為の福をけ給わん事を祈る。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
ハハハハ、無双の人よ! こいねがわくは、威風堂々マエステヴォルメンテとあれ!
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)