“歴々”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ありあり52.2%
あり/\21.1%
れきれき16.7%
まざまざ3.3%
れき/\3.3%
まざ/\1.1%
れっき1.1%
レキレキ1.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
とは思ったが、歴々ありあり彼処かしこに、何の異状なくたたずんだのが見えるから、憂慮きづかうにも及ぶまい。念のために声を懸けて呼ぼうにも、この真昼間まっぴるま
悪獣篇 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
別れて帰る時に、丁寧に草津から伊香保の方へ出て行く路をその父親は教へて呉れたが、その親切は今だにKの頭に歴々あり/\と思ひ出されて来た。
田舎からの手紙 (新字旧仮名) / 田山花袋田山録弥(著)
「前後をよくわきまえてから物はいうものじゃ、第一の着到はかくいう弓削田宮内じゃ、お歴々れきれきといえども、着到順から申せば皆後じゃ」
討たせてやらぬ敵討 (新字新仮名) / 長谷川伸(著)
あやしむべきかなかつたりしところをそのままに夢むるためしは有れ、所拠よりどころも無く夢みし跡を、歴々まざまざとかく目前に見ると云ふも有る事か。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
殺したる者なるべけれと思ひ此人は何屋なにやより送られし客人なるやと聞けば女房こたへて夫は桐屋からの客人なり金を四百兩預けられしがいづれも歴々れき/\の人ならんと云ふを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
昨晩ゆうべの事が歴々まざ/\と思出された。女中が襖を開けて鬚面の菊池君が初めて顏を出した時のさまが目に浮ぶ。
菊池君 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
それまで彼は歴々れっきとした生みの親のある、家の後取娘として、何かにつけておとらからひけらかす様に、隔てをおかれるお島を、のろわしくも思っていた。
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
之ヲ伏兵ニテ撃タバ、御味方ノ勝利、歴々レキレキタラント述ブ。
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)