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れき/\
殺したる者なるべけれと思ひ此人は
何屋より送られし客人なるやと聞けば女房
答へて夫は桐屋からの客人なり金を四百兩預けられしが
何れも
歴々の人ならんと云ふを
水源
竭きて
進行漸やく
容易となる、六千四百呎の高に
達すれば前日来
経過し来れる所、
歴々眼眸に
入り、利根河の
流域に属する藤原村の深山幽谷、
丸で地図中の物となり、其山の
広袤水の長程
爭ひ入り來る故實に松葉屋の
大黒柱金箱と
持はやされ
全盛双ぶ方なく時めきける
中早其年も暮て享保七年四月
中旬上方の客仲の町の
桐屋と云ふ茶屋より松葉屋へ
上りけるに三人連にて
歴々と見え
歌浦八重咲幾世とて何も
晝三の
名題遊女を
疑ふ樣も御座なく候と申立るに伊奈殿
否々少しにても心當り有れば申立よ
而て其者は宿内の者か他村かと
有ける時恐れながら申上ますと
支配人の五兵衞
縁先近く
這出て
只今平吉が申立し通り右心當りの儀は
疑はるゝものゝ先も
歴々の身代に候ゆゑ何とも申上兼ると云ければ伊奈殿
何々惡く致すと
歴々でも
油斷は