“経過”のいろいろな読み方と例文
旧字:經過
読み方割合
けいか31.3%
たつ18.8%
けいくわ12.5%
12.5%
たっ6.3%
とお6.3%
なりゆき6.3%
ひだち6.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
その後六年の歳月が、比較的無事に経過けいかした。博雄も、中学三年高等学校三年を無事に経過して、今年三月の二十日に附属の高等学校を卒業した。
親は眺めて考えている (新字新仮名) / 金森徳次郎(著)
それから二月経過たつと磯吉はお源と同年輩おなじとしごろの女を女房に持って、渋谷村に住んでいたが、矢張やはり豚小屋同然の住宅すまいであった。
竹の木戸 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
未明みめい食事をおはりて出立し又水流すいりうさかのぼる、無数の瀑布を経過けいくわして五千五百呎のたかきに至れば水流まつたき、源泉は岩罅かんこより混々こん/\として出できた
利根水源探検紀行 (新字旧仮名) / 渡辺千吉郎(著)
私は昨夜自動車に出会った場所は、停車場ステーションから海浜旅館ホテルへ出る道路みちとは違っている。しかも汽車が到着ついた時から一時間も経過っていた。
緑衣の女 (新字新仮名) / 松本泰(著)
多方おおかたもう十兵衛が来そうなものと何事もせず待ちかくるに、時はむなしく経過たって障子の日晷ひかげ一尺動けどなお見えず、二尺も移れどなお見えず。
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
あるいは戯造か、さもなければ暗夜に墓地などを経過とおるとき、恐怖のあまり一像を思い出だすかによるものにて、決して真の怪しきものあるべき理なし。
迷信と宗教 (新字新仮名) / 井上円了(著)
自然の経過なりゆきがまた窮屈に眼の前に押し寄せて来るまでは、忘れている方が面倒がなくって好いぐらいな顔をして、毎日役所へ出てはまた役所から帰って来た。
(新字新仮名) / 夏目漱石(著)
或る名士の若夫人が入院して初子ういごを生んだ。安産で、男子で、経過ひだちも良かったが、さてお乳を飲ませる段になると、若夫人が拒絶した。
東京人の堕落時代 (新字新仮名) / 夢野久作杉山萠円(著)