“まざまざ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
歴々37.5%
顕然37.5%
歴然12.5%
現実12.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
俯向うつむいて、じっと目をねむると……歴々まざまざと、坂下に居たそのおんなの姿、——うすもの衣紋えもんの正しい、水の垂れそうな円髷まるまげに、櫛のてらてらとあるのが目前めのまえへ。——
星女郎 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
それは我々が妄想のうちに見る漠然たる面影とはちがって、あまりに顕然まざまざと、まるで現実の人を見るようなので、私は思わず手を伸べてそれに触ろうとした。
誰? (新字新仮名) / モーリス・ルヴェル(著)
黒服の怪物は中腰になつてその函をどうかしてゐるのであるが、幻はやがて彼の黒服を通して、且つは彼の肉体を通して、彼の手と函との関係を歴然まざまざと透視させた。
公判 (新字旧仮名) / 平出修(著)
その彼の眼の前に、その恋人の泣き濡れた姿が、夢ではなく現実まざまざと、他に妨げる者もなく、たった一人で現われたのであった。
八ヶ嶽の魔神 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)