“はっきり”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
判然59.9%
明瞭17.9%
瞭然5.0%
分明3.6%
判明3.2%
明白2.9%
明確1.4%
判切1.1%
判乎0.7%
瞭乎0.7%
確然0.7%
鮮明0.7%
明亮0.4%
明快0.4%
歴然0.4%
爽快0.4%
爽涼0.4%
確的0.4%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「品物なら判然はっきりそう解釈もできるのですが、不幸にも御礼が普通営業的の売買ばいばいに使用する金なのですから、どっちとも取れるのです」
硝子戸の中 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
それは、色のない透明すきとおったものが光っているようでいて、そのくせどうも形体かたち明瞭はっきりとしていない、まるで気体のようなものでした。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
毎日職をあさりに出て行く夫が、家庭の外でどういう行動を取って帰って来るのか? 三枝子は瞭然はっきりとそれを知りたい気がした。
接吻を盗む女の話 (新字新仮名) / 佐左木俊郎(著)
しま養親やしないおやの口から、近いうちに自分に入婿いりむこの来るよしをほのめかされた時に、彼女の頭脳あたまには、まだ何等の分明はっきりした考えも起って来なかった。
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
足を狙うのが、朝顔を噛むようだ。爪さきが薄く白いというのか、もすそつますそが、瑠璃るり、青、あかだのという心か、その辺が判明はっきりいたしません。
半島一奇抄 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
なに、明白はっきりと云うが可いのさ。私ゃ一番先だって構やしないし、また皆さんに見ていられたって別段こわかないんだよ。
結局倍音についての法水の推断は、明確はっきりと人間思惟創造の限界を劃したに止まっていた。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
彼は女がなぜ淡泊たんぱくに自分の欲しいというものの名を判切はっきり云ってくれないかをうらんだ。彼は何とはなしにそれが知りたかったのである。すると
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
⦆それは昨年の二月、日は判乎はっきりと記憶にはありませんが、何でも私の書いた原稿がM雑誌社に売れてたんまり稿料の這入った月初めの夜の事でありました。
陳情書 (新字新仮名) / 西尾正(著)
そして自分の部屋へ這入ると初めて先刻の影が或るかすかな物音を引いていたことを瞭乎はっきりと思い出した。
三階の家 (新字新仮名) / 室生犀星(著)
左右の腕にも注射を受けたような気がした。しかしそれは確然はっきり覚えていない。
思い出す事など (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
でもこうしてお目にかかり、しみじみお話しいたしました今は、妾の考えておりましたことが間違いであったということを鮮明はっきり知る事が出来ました。
神州纐纈城 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
さかのぼって当時の事を憶出してみれば、初めおぼろのがすえ明亮はっきりとなって、いや如何どうしても敗北でないと収まる。
婆さんはしばらく手をひざの上にせて、何事も云わずに古いぜにおもてをじっと注意していたが、やがて考えの中心点が明快はっきりまとまったという様子をして
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
障子の把手にも歴然はっきりと血の手形が付いていた。
「どうも今度の病気は爽快はっきりせん」という声さえ衰えて沈んでいる。
富岡先生 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
この世でなければ見る事の出来ない明瞭な程度と、これに伴う爽涼はっきりした快感をもって、他界の幻影まぼろしに接したと同様の心持になったのである。自分は大きな往来の真中に立っている。
坑夫 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
翌日眼が覚めて役所の生活が始まると、宗助はもう小六の事を考える暇をたなかった。うちへ帰って、のっそりしている時ですら、この問題を確的はっきり眼の前にえがいて明らかにそれをながめる事をはばかった。
(新字新仮名) / 夏目漱石(著)