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判明
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はっきり
ふりがな文庫
“
判明
(
はっきり
)” の例文
二人は或る間隔を置いて、相手の短所を眺めなければならなかった。だから相手の長所も
判明
(
はっきり
)
と理解する事が出来
悪
(
にく
)
くなった。
道草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
足を狙うのが、朝顔を噛むようだ。爪さきが薄く白いというのか、
裳
(
もすそ
)
、
褄
(
つま
)
、
裾
(
すそ
)
が、
瑠璃
(
るり
)
、青、
紅
(
あか
)
だのという心か、その辺が
判明
(
はっきり
)
いたしません。
半島一奇抄
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
夜寝床へ入ってからも、
彼
(
あれ
)
が誰の子か永久にわかりそうもないのを、ひそかに歎きます。もっともそれが
判明
(
はっきり
)
すると、却って恐ろしいことかも知れません。
二人の母親
(新字新仮名)
/
モーリス・ルヴェル
(著)
それらの女の肉顔は
何処
(
どこ
)
で
怎
(
ど
)
う見たことすら
判明
(
はっきり
)
しないが、ただ、美しい女が
有
(
も
)
つところの湯気のような温かみが、かれの坐っているあたりの空気をしっとりとあぶらぐませ
幻影の都市
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
「それは無論よ。お父さんも申分ないと仰有っていますからね。けれども然ういう条件で帰って貰うんじゃありません。親は親、子は子です。その
分
(
ぶん
)
を
判明
(
はっきり
)
させてからの話ですわ」
脱線息子
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
▼ もっと見る
しかしどの位が相当のところだか
判明
(
はっきり
)
した目安の出て
来
(
き
)
ようはずはなかった。その上なるべく少ない方が彼の便宜であった。
道草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
が、かく
菌
(
きのこ
)
を
嗜
(
たしな
)
むせいだろうと人は言った、まだ杢若に不思議なのは、
日南
(
ひなた
)
では、影形が薄ぼやけて、陰では、汚れたどろどろの
衣
(
きもの
)
の
縞目
(
しまめ
)
も
判明
(
はっきり
)
する。
茸の舞姫
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
女は女自身にあっても
之等
(
これら
)
の凝視の世界が、果してどれだけまでが想像であるか、幻覚であるか、または一種の透視的な夢幻界を
彷徨
(
ほうこう
)
したものであるかという区別を
判明
(
はっきり
)
することができなかった。
香爐を盗む
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
彼らは常人より
判明
(
はっきり
)
した頭をもって、普通の者より根気強く、しっかり考えるのだから彼らの
纏
(
まと
)
めたものに間違はないはずだと、こういうことになりますが
中味と形式
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
私も
余程
(
よっぽど
)
寝苦しかったと見えます——先にお話しした二度めに目を覚ましますまで、ものの一時間とはなかったそうで——由紀の
下階
(
した
)
から
透
(
とお
)
して見たのでは——余り
判明
(
はっきり
)
見えるので
甲乙
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
人類に対する慈愛の心を、硬くなりかけた彼から
唆
(
そそ
)
り得る点において。また漠然として散漫な人類を、比較的
判明
(
はっきり
)
した一人の代表者に縮めてくれる点において。
道草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
濡れても
判明
(
はっきり
)
と白い、処々むらむらと
斑
(
ふ
)
が立って、雨の色が、
花簪
(
はなかんざし
)
、
箱狭子
(
はこせこ
)
、
輪珠数
(
わじゅず
)
などが落ちた形になって、人出の混雑を思わせる、仲見世の敷石にかかって、
傍目
(
わきめ
)
も
触
(
ふ
)
らないで、
御堂
(
みどう
)
の
方
(
かた
)
へ。
妖術
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
彼は眠い時に本を読む人が、
眠気
(
ねむけ
)
に抵抗する努力を
厭
(
いと
)
いながら、文字の意味を
判明
(
はっきり
)
頭に入れようと試みるごとく、
呑気
(
のんき
)
の
懐
(
ふところ
)
で決断の卵を温めている癖に、ただ
旨
(
うま
)
く
孵化
(
かえ
)
らない事ばかり苦にしていた。
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
“判明”の意味
《名詞・動詞》
原因・実体などがはっきりと分かること。
《名詞・形容動詞》
(context、logic)概念の内包が明らかであること。
(出典:Wiktionary)
判
常用漢字
小5
部首:⼑
7画
明
常用漢字
小2
部首:⽇
8画
“判”で始まる語句
判然
判
判官
判断
判斷
判切
判事
判人
判別
判定