“はつき”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ハツキ
語句割合
發揮34.8%
八月13.0%
明瞭13.0%
発揮8.7%
8.7%
判然4.3%
4.3%
發輝4.3%
発機4.3%
發起4.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
六本木の大黒屋は、がけの上に建つた二階屋で、大通りからは少し入りますが、贅澤と惡趣味を念入りに發揮はつきした、恐るべきこけおどかしの構へでした。
銭形平次捕物控:180 罠 (旧字旧仮名) / 野村胡堂(著)
かけまくもあやかしこき、いはまくも穴に尊き、広幡ひろはた八幡やはた御神みかみ、此浦の行幸いでましの宮に、八百日日やおかびはありといへども、八月はつきの今日を足日たるひと、行幸して遊びいませば、神主かみぬしは御前に立ちて、幣帛みてぐらを捧げつかふれ
墨汁一滴 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
その時こそ覚悟を定める時であつたけれど、尚自らを信じ得ぬ弱さが私を引きずり、現在まで覚悟らしい決意を持ち得なかつた不甲斐なさに責められて、私は今日こそ明瞭はつきり覚悟をする。
孤独のことなど (新字旧仮名) / 北条民雄(著)
MK私達わたしたちまえに、さきうつくしいひとならんでゐて、元気げんきよくしきり茶目振ちやめふり発揮はつきしてゐた。わたしかれくものに敬意けいいをもつてゐたがつてみるとまたくものとはちがつた、べつ意味いみしたしさがかんじられた。
微笑の渦 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
そんなら俺も彼奴あいつの事を素破拔すつぱぬいてやらう、と氣が立つて來て、卑怯な奴等だ、何も然う狐鼠狐鼠こそこそ相談せずと、退社しろなら退社しろとはつきり云つたら可いぢやないか、と自暴糞やけくそな考へを起したが
病院の窓 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
自分自身にも判然はつきりと云ひ聞かせるつもりで、富岡との思ひ出ばかりに引きずられてゐてはならないと思つた。
浮雲 (新字旧仮名) / 林芙美子(著)
隣りの部屋では、寄りあひでもあるのか、四五人の話しあふ声がふすまごしに聞えた。小降りの雨のなかに、判然はつきりとした山脈が見えた。すゞりをたてたやうな山容である。
浮雲 (新字旧仮名) / 林芙美子(著)
お父さんに訊いたら、お父さんにもはつきりしないから、あなたに訊いて御覧ておつしやつたの。それがね……一寸待つて頂戴。
眠い一日 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
「さアさア、折角起きたんだから……」なほもそんな声が響いたが、もう彼にはそれが誰の声だかはつきり解らない程だつた。彼は、ウト/\する心持から引戻されたのを口惜しがつて
眠い一日 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
發輝はつきと申立て給はらば夫にて宜しと家主長助は忠兵衞をしかと談じ其のおもむきの一札を取置さればお光殿立歸りて訴訟の支度したくに及ばんなれども忠兵衞殿には御迷惑ごめいわくなる事に候はんとあつく禮を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
呼出しになり越前守殿出座しゆつざありて一同呼上よびあげる時大岡殿忠兵衞へ向はれ其方事今日は長庵と對決たいけつつける間天神の裏門前にて同人にあふたる趣き發輝はつきと申立よと申渡され次に長庵其方の弟十兵衞出立のあさは病中にて有りしと申が平川天神裏門通りを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
つひに戦はずして勝つ能はざるか、仆れずしておきる能はざるか、われは文覚の為に悲しむ、われは彼の発機はつきを観じて、彼の為に且つ泣き且つ喜ぶ
心機妙変を論ず (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
其他そのほか面白おもしろこと隨分ずゐぶんあつた。音樂會おんがくくわい翌々日よく/\じつことで、ふね多島海たたうかいおきにさしかゝつたときおほく船客せんきやく甲板かんぱん集合あつまつて種々いろ/\遊戯あそびふけつてつたが、其内そのうちたれかの發起はつき徒競走フートレースはじまつた。