「電灯を点けて煙草を喫かす、喫ひ終ると再び灯りを消してスツポリと夜着を頭から引き被る——真暗だ。彼は、眼を視開いてゐた。……云ふまでもなく、何も考へてゐない。眠り度い!と希ふ心は、とうに麻痺してゐる。……時計の音ばかりが、イヤに勢急に響いて …
著者 | 牧野信一 |
ジャンル | 文学 > 日本文学 > 小説 物語 |
初出 | 「東京朝日新聞(夕刊) 第一三〇九三号~第一三一〇五号」東京朝日新聞発行所、1922(大正11)年11月14日~11月26日 |
文字種別 | 新字旧仮名 |
読書目安時間 | 約36分(500文字/分) |
朗読目安時間 | 約60分(300文字/分) |