“此室”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ここ62.7%
こゝ15.7%
このへや7.8%
こちら7.8%
こつち2.0%
このしつ2.0%
このま2.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
まず、女が情夫と二人で此室(ここ)へ忍びこんだことは、疑う余地がありませんね。彼等は主人が眠っていると思ってそっと戸を開けました。
見開いた眼 (新字新仮名) / モーリス・ルヴェル(著)
此室(こゝ)に重なり合ふ樣になつて寢て居るのだが、渠は慣れて居るから、其等の顏を踏附ける事もなく、壁際を傳つて奧の襖を開けた。
病院の窓 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
此室(このへや)はいろんなものがあつて危いから向方へ行かう、と云ひながら彼が弟を抱へて座敷へ行くと綾子も光子も伴いて来た。
眠い一日 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
「此室(こちら)をのぞいていなすったが、あまりよく眠(ね)ているとおっしゃって、奥へ通られて、すぐお寝なされたのですよ」
巷説享保図絵 (新字新仮名) / 林不忘(著)
女組は一先(ひとまづ)別室に休息した。富江一人は彼室(あつち)へ行き此室(こつち)へ行き、宛然(さながら)我家の様に振舞つた。お柳は朝(あさつ)から口喧しく台所を指揮(さしづ)してゐた。
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
イワン、デミトリチ、グロモフは三十三歳(さい)で、彼(かれ)は此室(このしつ)での身分(みぶん)の可(い)いもの、元來(もと)は裁判所(さいばんしよ)の警吏(けいり)、又(また)縣廳(けんちやう)の書記(しよき)をも務(つと)めたので。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
既(すで)にして、松川が閨(ねや)に到れば、こはそもいかに彼(か)の泣声(なきごゑ)は正(まさ)に此室(このま)の裡(うち)よりす、予は入(はひ)るにも入(はひ)られず愕然(がくぜん)として襖(ふすま)の外に戦(わなな)きながら突立(つツた)てり。
妖怪年代記 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)