“此室”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ここ62.0%
こゝ16.0%
このへや8.0%
こちら8.0%
こつち2.0%
このしつ2.0%
このま2.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
この室はちょうどかの雪峰チーセを見るに都合がし、夜分はごく美しい月を見ることが出来ますから此室ここにお休みなさいという。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
此室こゝに重なり合ふ樣になつて寢て居るのだが、渠は慣れて居るから、其等の顏を踏附ける事もなく、壁際を傳つて奧の襖を開けた。
病院の窓 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
此室このへやはいろんなものがあつて危いから向方へ行かう、と云ひながら彼が弟を抱へて座敷へ行くと綾子も光子も伴いて来た。
眠い一日 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
此室こちらをのぞいていなすったが、あまりよくているとおっしゃって、奥へ通られて、すぐお寝なされたのですよ」
巷説享保図絵 (新字新仮名) / 林不忘(著)
女組は一先ひとまづ別室に休息した。富江一人は彼室あつちへ行き此室こつちへ行き、宛然さながら我家の様に振舞つた。お柳はあさつから口喧しく台所を指揮さしづしてゐた。
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
イワン、デミトリチ、グロモフは三十三さいで、かれ此室このしつでの身分みぶんいもの、元來もと裁判所さいばんしよ警吏けいりまた縣廳けんちやう書記しよきをもつとめたので。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
すでにして、松川がねやに到れば、こはそもいかに泣声なきごゑまさ此室このまうちよりす、予ははひるにもはひられず愕然がくぜんとしてふすまの外にわななきながら突立つツたてり。
妖怪年代記 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)