“このま”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
樹間52.9%
木間32.4%
此間8.8%
本間2.9%
此室2.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
叔母は此方こなたを見も返らで、琵琶の行方をみまもりつつ、椽側に立ちたるが、あわれ消残る樹間このまの雪か、緑翠りょくすい暗きあたり白き鸚鵡の見え隠れに、ひぐらし一声鳴きける時
琵琶伝 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
花の木間このま、夕日花やかに移ろひて、陵王りようわう(扮装せる当年十四歳の顕家)のかがやき出でたるは、えもいはず、おもしろし。
私本太平記:10 風花帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ぞ懸たりける此間このまに常樂院藤井左京諏訪右門等各々召捕れ其餘一人も殘ず召捕たり越前守は豫て手配てくばりせし事なれば急ぎ八山へ捕方とりかたを遣はせしに山内伊賀亮は早くも覺悟かくごし自分の部屋へやへ火を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
晴れんとて本間このまあかれる夕立に降りつぐ蝉のむら時雨かな
礼厳法師歌集 (新字旧仮名) / 与謝野礼厳(著)
すでにして、松川がねやに到れば、こはそもいかに泣声なきごゑまさ此室このまうちよりす、予ははひるにもはひられず愕然がくぜんとしてふすまの外にわななきながら突立つツたてり。
妖怪年代記 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)