“こちら”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:コチラ
語句割合
此方70.4%
此家4.7%
是方2.2%
東京1.7%
当家1.7%
当方1.5%
当地1.5%
此処1.0%
此室1.0%
御当家0.7%
此店0.7%
大阪0.7%
当寺0.5%
此地0.5%
此寺0.5%
直方0.2%
這裡0.2%
別荘0.2%
日本0.2%
貴店0.2%
一等0.2%
京都0.2%
以来0.2%
先方0.2%
函館0.2%
右方0.2%
右袂0.2%
和泉屋0.2%
左方0.2%
左袂0.2%
幽界0.2%
当地方0.2%
当宅0.2%
当屋0.2%
当店0.2%
当座0.2%
当役所0.2%
当所0.2%
当楼0.2%
当病室0.2%
御当地0.2%
此地方0.2%
此屋0.2%
此市0.2%
此所0.2%
此方等0.2%
此楼0.2%
此邸0.2%
比方0.2%
江戸0.2%
田舍0.2%
病院0.2%
西京0.2%
警察0.2%
這箇0.2%
金沢0.2%
静岡0.2%
黒田藩0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
此凄まじい日に照付られて、一滴水も飲まなければ、咽喉のどえるをだま手段てだてなくあまつさえ死人しびとかざ腐付くさりついて此方こちらの体も壊出くずれだしそう。
「しかし山焼の跡だと見えて、真黒はひどいな。俺もゆくゆくは此家こちらへ引取られようと思ったが、裏が建って、川が見えなくなったから分別を変えたよ。」
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
私も奥様にられたままで、追出される気は有ません。身の明りを立てた上で、是方こちらから御暇を貰って出よう、と心を決めました。
旧主人 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
伊「いゝとこがありますぜ、東京こちらから遠くはありませんがね、わしが行って頼んだらすげなくも断るまいと思うんで、あれなら大丈夫だろう」
実に伯父さまは一通りならざる智者ちしゃだから、わたくしは本当に怖いよ、私も放蕩ほうとうを働き、大塚おおつかの親類へ預けられていたのを、当家こちらの伯父さんのおかげうちへ帰れるように成った
「それでは申しあげますが、今うけたまわれば、当方こちらの奥さまが、何かまちがいをしでかしまして」
春心 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
「いや、わしは所長ですよ、阿母さん、当地こちらの裁判所の……。」
彼方あっちにもある此処こちらにもあると言ったチャチなインチキな絵じゃ無い、第一番に三十号の風景、これはラインの夏景色で、思い出の深い絵だが、思い切って出して了う。
富江一人は彼室あちらへ行き此室こちらへ行き、宛然さながら我家の樣に振舞つた。お柳は朝から口喧しく臺所を指揮さしづしてゐた。
鳥影 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
「酔っているばかりでも有りますまい。わたくしが二度と御当家こちらへ来ればあの人が又暴れて来るそうですね。あの人は何故そんなに妾を恨んでいるんでしょう。妾にはちっとも訳が判りません。」
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
「あの、此店こちらへおいでなさいました、今しがた……」
薄紅梅 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
すると今度はお兼さんが顔を前へ出して「御気に入ったら、あなたも大阪こちらへいらっしゃいませんか」と云った。自分は覚えず「ありがとう」と答えた。
行人 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「さようで……あの斬られたお熊さんと十五違いぐらいで御座いましょうか……いつもお二人で仲よく当寺こちらへお参りになりましたもので、他目よそめには実の親娘おやことしか見えませぬくらい仲が宜しゅう御座いましたが……南無南無南無……」
わたくしは江戸の者で、小商こあきないを致します新吉と申す不調法者、此地こちらへ参りましたが、雷鳴かみなりが嫌いで此方様こちらさまへ駈込んだ処が、お留守様でございますからとめる訳にはいかぬと仰しゃって、お話をして居る処で
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
ひどい奴があったものですな。まるで此寺こちらの雲水そっくりのようで……。
艸木虫魚 (新字新仮名) / 薄田泣菫(著)
今でもハッキリ記憶おぼえておりますのは、東京から直方こちらへ来る時に、母が近江屋のお神さんに遣りました小さな袱紗の模様です。
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
東京から直方こちらへ来たわけは、母が卜筮うらないを立てたんだそうです。「狸穴まみあなの先生はよく適中あたる」
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
一体まあどうなすつたと云ふので御座いませう、那裡あちらにも這裡こちらにもお客様を置去おきざりなすつてからに。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
「宅の旦那だんな様はもしや這裡こちらへいらつしやりは致しませんでたらうか」
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
昨日上杉さんが別荘こちらをお訪ね下さった時に、主人にその脚本をお渡しになったので、そんな事だけは知っているので御座居ます
花束の虫 (新字新仮名) / 大阪圭吉(著)
「御主人が御病気でこの海岸へ転地されてからも、勿論別荘こちらへは訪問者が御座居ましたでしょうな?」
花束の虫 (新字新仮名) / 大阪圭吉(著)
これはやはり日本こちらでも同じ事で、著作ちよさくでもなさるかたは誠に世事せじうといもので、何所どこかん所があります、学問がくもんにもぬけてゐてもなにかにうといところがあるもので
西洋の丁稚 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
これで先生も使賃つかひちんをやる事をおぼえ、また小僧こぞうさんも行儀ぎやうぎなほつたといふお話で、誠に西洋あちら小僧こぞうさんは狡猾かうくわつ怜悧りこうところがありますが、日本こちら小僧こぞうさんはごく穏当をんたうなもので。
西洋の丁稚 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
貴店こちらのに比べると狆のようにも見えませんので……これが、その彫刻をして売り物にでもしますのなら、気に入らない見本でも間に合わせも出来ますが、何しろ
いろいろ好い狆を見本にさがしておりますようなわけで、貴店こちらの狆がいかにも狆らしく美事であると、平常ふだんからも思っておりましたので、今日、実はお立ち寄りして拝借を願ったような訳なので……
背広でも着込んで、遠目だけでも紳士かブルジョアに見える奴にゃ、どうぞ一等こちらへと来るんだ。血の出る思いをしようがしまいが、五百ルーブリ積んで出さなくちゃならない。
グーセフ (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
こわれはせぬ、二つに割れた。最初、江戸から京都こちらへ上ったのは総勢二百五十人、それは大方、今いう清川が手で江戸へ帰って、残るは芹沢と近藤を頭に十四人」
それが、根元もとと申しますのは、地体この地震の風説うわさは、師走以来こちらの陽気から起ったのでござりましょう。
わか紫 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
先方こちらからの望みであったというし、目下区長が全責任を負うて心配している信用組合の破綻を救うために、村民の決議で村有の山林原野を抵当にした、相当有利な条件の借金話が
巡査辞職 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
「札幌から鳥渡商用で函館こちらへ參つたんですが、丁度今日は日曜で一日隙が出來ましたし、トラピストといふ人達も識りたいと思ひまして……」と、彼は私をぢつとみつめながら、ことばを途切つて
修道院の秋 (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
と大藏は跡へ帰って硯箱を取出して手紙をしたゝめ、是から菊が書いた起請文を取出して、大藏とある大の字の中央まんなかへ(ぼう)を通してね、右方こちらへ木の字を加えて、大藏を林藏と改書なおして
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
それでけば宜しいのに、先へ行って腹が空ってはならんから二つ三つ用意に持って行こうと、右袂こちらへ二つ左袂こちらへ三つ懐から背中へ突込つっこんだり何かして、盗んだなりこうつと
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「さようでございます。小石川の金剛寺門前町にこのあいだできました和泉屋こちらの出店でございます。あれをとりいそぎ手を引いていただきたいのでございます」
巷説享保図絵 (新字新仮名) / 林不忘(著)
ギュッと手を逆にねじる、七人力も有ります人にひどく利き処を押えられ、痛くて向く事が出来ませんから、又左方こちらへ向うとすると、右へ捻りまするから八十兵衞は右と左へぐる/\して居ります。
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
それでけば宜しいのに、先へ行って腹が空ってはならんから二つ三つ用意に持って行こうと、右袂こちらへ二つ左袂こちらへ三つ懐から背中へ突込つっこんだり何かして、盗んだなりこうつと
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
生前せいぜんうす頭髪かみ茶筌ちゃせんっていましたが、幽界こちらわたくしもとおとずれたときは、意外いがいにもすっかり頭顱あたままるめてりました。わたくしちがって祖父じじ熱心ねっしん仏教ぶっきょう信仰者しんこうしゃだっためでございましょう……。
当地方こちらのどこの館にかかるか……なぞいうヤヤコシイ事まで、要するにそこいら中に在りとあらゆる何でもカンでも知っていなければ勤まらない。
山羊髯編輯長 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
わたくしの側で召使う事に致しましたが、あまり来方きかたが遅う御座いましたので、当宅こちらの自用車を迎えに出したので御座います。
山羊髯編輯長 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
当屋こちらに、間淵まぶちさんのお妹ごはおいでになるかね。)
雪柳 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
そっくりその娘のお高さまへのこされているわけなので——このへんのことは、その、どなたか柘植の方がお出になるまで、当店こちらと話し合いで柘植様の世話役に立っていてくださる人におききになれは
巷説享保図絵 (新字新仮名) / 林不忘(著)
当座こちらではじめてから毎晩、毎晩来て下すって、あの可愛らしい顔をして傍見わきみもしないで見ていて下さるじゃありませんか。
照葉狂言 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「やはり私が契約を結んできた或る女地主の代理人でして、祭司長のキリール神父の息子とかが、たしか当役所こちらに勤めている筈なんですが。」
早く往って様子を見て来いと申し付けられ、吉原へ往って見ますと、焼跡のみで分りませんから、段々聞きましたれば、当所こちらへお立退きに成ったということを承わりましたから
突然年若き病人らしい、婦人が来て、わたし当楼こちら娼妓しょうぎで、トヤについて食が進まず、鰻をたべたいが買う力が無いと、涙を流して話すのを、秀調哀れに思いその鰻を与えしに
枯尾花 (新字新仮名) / 関根黙庵(著)
三味線を踏み折ってしまった……そのまま当病室こちらへ連れて来られたという痛快なローマンスの持ち主で御座います。
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
面白おもしろえ物を見て暮しますだけ人間ねんげんの徳だと思えやす、ぜつに旦那さまア御当地こちら朽果こちはてたい心は充分えっぱいあります
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
野郎……貴様らが上海シャンハイの本部へ逃げ込むついでに門司から此地方こちらへ道草を喰いに入り込んだのを聞くと、直ぐに手配していたんだぞ。貴様らの同志四人はモウ先刻さっき、停車場で挙げられている。
女坑主 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
此屋こちら様なり、そのお座敷は、手前同業の正斎と申す……河豚ふぐのようではござりますが、腹に一向の毒のない男が持分に承っておりましたので、この正斎が、右の小一の師匠なのでござりまして。
怨霊借用 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「附かん事をお訊き申すやうですが、キヤノンさん、貴方此市こちらの位の食代めしだいをお払ひですね。」
犯人はとても手際の巧い奴ですな。奥さん、此所こちらの門の際で若奥さんと貴女と無駄口を
目撃者 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
あんな奴があるから此方等こちらが貧乏するのだと云いさま、私のもってる小皿を二、三枚投付なげつけたら、一番仕舞しまいの一枚で三味線のがプッツリんだ。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
(姉さんは、いとはんですか、此楼こちらの……)
白花の朝顔 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
手裏剣しゅりけんを抜いて発矢はっしと投げる。投げた方角は薩州邸の馬場から此邸こちらの隔ての塀あたり。
大菩薩峠:10 市中騒動の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
お梅は芝居の大詰めを見るやうに、祖母一家の結着に好奇心を寄せてゐたが、比方こちらから樣子を見に行くのは面羞おもはゆかつた。
孫だち (旧字旧仮名) / 正宗白鳥(著)
何日いつ江戸こちらへ来たんですか」
松のや露八 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「六時ですの、田舍こちらにゐらつしやると、いつも早寢早起をなさるものですから。もうお召換めしかへをなすつた方がようござんすよ。私も御一緒に行つてお手傳ひをしませう。蝋燭はこゝにあります。」
先般は姫草の件につきましていろいろどうも……ところで早速ですが……お忙しいところまことにすみませんが、直ぐに病院こちらへお出で願えますまいか。姫草ユリ子の行方がわかったのです。
少女地獄 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
西京こちらのものは、さいなことしやせん。そんなら、パリというところ、京都に似てるやないか。」
モルガンお雪 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
ハイ。恐れ入ります。それから間もなく倉庫主任宛のお電話が警察こちらにかかって参りましたのでスッカリ安心して手配してしまったのです。手配がすんだ証拠に、お山全体の電灯にスイッチを
女坑主 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
這箇こちらの外にお一方ひとかたで御座りやす」
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
「御滞在中は、何かと、御不便かと、存じまして、——冬子という、金沢こちらでは、二人といない、勝れた、女子ですが——」
地上:地に潜むもの (新字新仮名) / 島田清次郎(著)
静岡こちらへ来て、私と知己ちかづきになったというのを聞いて、(精一杯御待遇おもてなしをなさい。)ッて東京から母さんが手紙でそう云って寄越したのも、酒井さんとの縁談を、貴下に調えて頂きたければこそだもの。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
黒田藩こちらの大目付様に先手を打たれて、今頃はボンヤリしておる事と存じまするが……この後始末はいずれ貴方様へかかって来る事と存じまするが……