当寺こちら)” の例文
旧字:當寺
その日は、当寺こちらへお参りに来がけだったのでね、……お京さん、いしだんが高いから半纏はんてんおんぶでなしに、浅黄鹿の子の紐でおぶっていた。
縷紅新草 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「さようで……あの斬られたお熊さんと十五違いぐらいで御座いましょうか……いつもお二人で仲よく当寺こちらへお参りになりましたもので、他目よそめには実の親娘おやことしか見えませぬくらい仲が宜しゅう御座いましたが……南無南無南無……」