“発矢”のいろいろな読み方と例文
旧字:發矢
読み方割合
はっし88.9%
はつし8.9%
はッし2.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ける日は追えども帰らざるに逝ける事はとこしえに暗きに葬むるあたわず。思うまじと誓える心に発矢はっしあたる古き火花もあり。
薤露行 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
随分非文明な男だと思ひ乍ら行きずりに過ぎやうとすると、其男の大圏おほわに振つて居る太い洋杖が、発矢はつしと許り俊吉の肩先を打つた。
雲は天才である (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
「胸は騒ぐに何事ぞ。早く大聖威怒王だいしょういぬおうの御手にたよりて祈ろうに……発矢はッし、祈ろうと心をばすかしてもなおすかし甲斐もなく、心はいとど荒れに荒れて忍藻のことを思い出すよ」
武蔵野 (新字新仮名) / 山田美妙(著)