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是方
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ふりがな文庫
“
是方
(
こちら
)” の例文
普通
(
なみ
)
のものが其様な発狂者を見たつて、それほど深い同情は起らないね。起らない
筈
(
はず
)
さ、別に
是方
(
こちら
)
に心を
傷
(
いた
)
めることが無いのだもの。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
私も奥様に
蹴
(
け
)
られたままで、追出される気は有ません。身の明りを立てた上で、
是方
(
こちら
)
から御暇を貰って出よう、と心を決めました。
旧主人
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
異
(
かは
)
つた土地で知るものは無し、
強
(
し
)
ひて
是方
(
こちら
)
から言ふ必要もなし、といつたやうな訳で、
終
(
しまひ
)
には慣れて、少年の丑松は一番早く昔を忘れた。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
『あなたの部屋の方は、まだそれでも
羨
(
うらや
)
ましい。
是方
(
こちら
)
の窓から見てますと、あなたの部屋の窓には一日日が
映
(
あた
)
っています』ッて。
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
其時丑松が顔を差出したので、お志保も
是方
(
こちら
)
を振向いた。お志保は文平を見て、奥様を見て、それから丑松を見て、
紅
(
あか
)
くなつた。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
▼ もっと見る
「三吉も最早東京へ帰るそうなが、わざわざ
是方
(
こちら
)
へ廻るには及ばん、直に帰れ、その方が
両為
(
りょうだめ
)
だ」こんなことが書いてあった。
家:01 (上)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
眼鏡越しに
是方
(
こちら
)
を眺める青木の眼付の若々しさ、
往時
(
むかし
)
を
可懐
(
なつか
)
しがる布施の
容貌
(
おもて
)
に
顕
(
あらわ
)
れた真実——いずれも原の身にとっては
追懐
(
おもいで
)
の種であった。
並木
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
彼女の側には、女同志身体を持たせ掛けて、船旅に疲れたらしい眼付をしているものもあった。日をうけながら
是方
(
こちら
)
を見ている夫婦者もあった。
船
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
血にまみれながら
是方
(
こちら
)
を見た時の眼は小鳥ながらに恐ろしく、その小さな犠牲を打殺すまでは安心しなかったことがある。
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
「
是方
(
こちら
)
でも子供衆が出来さっせえて、御新造さんも手が有らっせまいで、寄るだけは寄れ、御厄介には成るな——こう
姉様
(
あねさま
)
から言付かって来ました」
家:01 (上)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
宅がよく申しましたよ、
是方
(
こちら
)
へ上って御話をしてると、自分の
塞
(
ふさ
)
がった心が開けて来るなんて、そう言っちゃあ
吾家
(
うち
)
を
家:02 (下)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
目下のものが旧家の家長に対する尊敬の心は、
是方
(
こちら
)
に道理があると思う場合でも、不思議に二人に附いて廻った。
家:02 (下)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
是方
(
こちら
)
の旦那様も奥様を探して
被入
(
いら
)
しゃる御様子ですが、丁度好さそうな人が御座いますとかッて。
刺繍
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
正直な話が、山本さんは
是方
(
こちら
)
から愛した経験は有っても、未だ
他
(
ひと
)
のように、
真実
(
ほんとう
)
に愛されたということを知らなかった。こんな風にして一生は済んで了うのか。それを彼は考えた。
船
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
「私が
是方
(
こちら
)
へ上る時に、『
己
(
おれ
)
も一諸に行こう』と申しますから、誰がそんな人に行って貰うもんか、旦那様の御家へなんぞ来るのは
止
(
よ
)
しとくれ、と言って遣りましたんで御座ます」
旧主人
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
「もし母親さんが
是方
(
こちら
)
へ参りましたら、叔父さんからもよく話して
遣
(
や
)
って下さい」
家:02 (下)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
「
是方
(
こちら
)
は」と相川は布施の方を指して、「布施君——
矢張
(
やはり
)
青木君と同級です」
並木
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
暑中休暇が来て見ると、
彼方
(
あちら
)
へ飛び
是方
(
こちら
)
へ飛びしていた小鳥が木の枝へ戻って来たように、学窓で暮した月日のことが捨吉の胸に集って来た。その一夏をいかに送ろうかと思う心地に混って。
桜の実の熟する時
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
鋭いナイフで
是方
(
こちら
)
の胸を
貫徹
(
つきとお
)
さずには置かないほどの力を
有
(
も
)
った眼だ。
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
運動場の
区劃
(
くかく
)
は碁盤の目を盛ったような真直な道で他の草地なぞと仕切ってあって、向うの一角に第一期の卒業生の記念樹があれば
是方
(
こちら
)
の一角にも第二期の卒業生の記念樹が植えてあるという風に
桜の実の熟する時
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
「橋本さんは
是方
(
こちら
)
ですか」
家:01 (上)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
是
常用漢字
中学
部首:⽇
9画
方
常用漢字
小2
部首:⽅
4画
“是方”で始まる語句
是方様