“こま”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:コマ
語句割合
28.2%
16.6%
独楽15.8%
13.1%
9.5%
高麗3.1%
小間2.5%
2.1%
1.4%
1.1%
獨樂0.9%
巨摩0.7%
0.6%
小室0.6%
木間0.6%
0.4%
困却0.3%
0.3%
0.2%
0.2%
樹間0.2%
0.2%
高麗馬0.2%
0.1%
0.1%
麻雀牌0.1%
仔細0.1%
木舞0.1%
0.1%
0.1%
車輪0.1%
駒鳥0.1%
0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
むすめが、毎日まいにち学校がっこうで、きつね、きつねといわれますそうで、学校がっこうへゆくのをいやがってこまりますが、どうかおぼっちゃんにおねがいして
青いボタン (新字新仮名) / 小川未明(著)
はじめは、ほそえだが、二ほんしかなかったのが、たちまちのうちに、三ぼんになり、四ほんとなり、こまかながたくさんついたのであります。
花と人間の話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
私は独楽こまの研究が専門ですが、今日の飛行機にジャイロスコープをしかけますと、空中でちゃんとスタビリチー(安定)が取れます。
空中征服 (新字新仮名) / 賀川豊彦(著)
「もらい物ですが、毅一きいさんとみいちゃんに。まだ学校ですか、見えませんねエ。ああ、そうですか。——それからこれはこまさんに」
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
今度はいっそう広大に硫黄の火よりもハッキリとして白く、朝霧よりもほんのりとしてこまやかに、東の壁の書卓の下から立上った。
白光 (新字新仮名) / 魯迅(著)
「ぼくは高麗こま犬の写生をしてるんだよ、どうもね、一つの方が口をあいて一つの方が口をしめてるのがふしぎでならねえ」
ああ玉杯に花うけて (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
キヤツとく、と五六しやく眞黒まつくろをどあがつて、障子しやうじ小間こまからドンとた、もつとうたくはへたまゝで、ののち二日ふつかばかりかげせぬ。
二た面 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
「よくよく達雄さんもこまって——病気にでも成るとかサ——そういう場合は格別ですが、下手へたなことは見合せた方が可いネ」
家:02 (下) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
お光達には腕をこまぬいて立っている大河俊太郎の姿がはっきり見えた。兄はたまらないように「おうい」と叫んだ。
地上:地に潜むもの (新字新仮名) / 島田清次郎(著)
五六人殘つた關係者は、大廣間の隅に引つ込んで、劇の一とこまを眺めるやうに、この不思議な夫婦の演出を見て居ります。
銭形平次捕物控:315 毒矢 (旧字旧仮名) / 野村胡堂(著)
此世界このせかい地球ちきうとなまろきものにて自分じぶんひながら日輪にちりん周圍まはりまはること、これをたとへば獨樂こまひながら丸行燈まるあんどう周圍まはりまはるがごとし。
改暦弁 (旧字旧仮名) / 福沢諭吉(著)
叔父の手記によれば、みどう家は、巨摩こま郡ぜんたいの土着民から、(ひそかに)領主のような、尊敬を受けているそうである。
山彦乙女 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
御互になるほどと合点が参るためには、今少し詳細に「情を理想とする」とは、こんなものだとこまかく割って御話しをしなければなるまいと思います。
文芸の哲学的基礎 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
誠に感心な事だと、年はまだ二十一歳でございますが、心ある娘で、多助の後影うしろかげをしみ/″\眺め、見惚みとれて居りますと、広間のわき土廂どびさしを深く取った六畳の小室こまがございます。
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
あざるる木間こまのしたみちに、うまなみだ
白羊宮 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫薄田淳介(著)
朝戸を開ければ会の手拭の五六本も投げこまれて交際つきあいの張る事は知らないのだろう、お前さんじゃア分らないから、分る者をおよこしなさい、お村は直ぐに帰しておくれ
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
ミハイル、アウエリヤヌヰチは此頃このごろでは始終しゞゆうかれ留守るすばかく。ダリユシカは旦那だんな近頃ちかごろ定刻ていこく麥酒ビールまず、中食迄ちゆうじきまでおくれることが度々たび/\なので困却こまつてゐる。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
靴のリボンは、真っ白なこまかな透き靴足袋の上にX形に綾取あやどられていた。それからモスリンの一種の胴着をつけていた。
眉も額の生えぎわもりこんであった。きめのこまかなひき緊った肌は、不断のていれのよさを思わせる、唇は乾いていた。眼は大きく眸子ひとみは澄んでいるが、人をそそるような悩ましげな光を帯びていた。
(新字新仮名) / 山本周五郎(著)
毎年の事ながら不意の大雪にて廿七日より廿九日まで駅中えきちう家毎の雪ぼりにて混雑こんざついたし、簷外えんぐわいたちまち玉山をきづき戸外へもいでがたくこまり申候。今日も又大雪吹ふゞきに相成、家内くら蝋燭らふそくにて此状をしたゝめ申候。
物歎かしきたたずまひ、樹間こまに仄めく夕月の
泣菫詩抄 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫(著)
長峰の下宿の女房かみさんも、権之助坂の団子屋の老婆ばあさんも、私は至るところで千代子の恋の噂を耳にした、千代子は絶世の美人というのではないけれども、大理石のようにこまやかなはだ
駅夫日記 (新字新仮名) / 白柳秀湖(著)
近い飛鳥から、新渡来いまき高麗馬こままたがって、馬上で通う風流士たわれおもあるにはあったが、多くはやはり、鷺栖さぎすの阪の北、香具山のふもとから西へ、新しく地割りせられた京城けいじょう坊々まちまちに屋敷を構え、家造りをした。
死者の書 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
彼はこまを握る合間あいま合間に顔をあげて、星尾助教授の手の内を後からみたり、川丘みどりの真白な襟足えりあしのあたりをぬすして万更まんざらでない気持になっていた。
麻雀殺人事件 (新字新仮名) / 海野十三(著)
(二)みどりが気分が悪いと云ったときに彼が非常に狼狽ろうばいしたのは、彼がこまに塗りつけた毒物がみどりを犯したのではないかとあやぶんだせいではあるまいか。
麻雀殺人事件 (新字新仮名) / 海野十三(著)
「今度初めて行く所だが、なんでも、北多摩のはずれで秩父境ちちぶざかいにあたる所だというんだが、そこに、高麗こま村のこま家というえらい旧家があるそうじゃ」
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そこで馬春堂は、このこま家の一室にほうり込まれた当時から、退屈まぎれの後々のちのちのよすがにもと、半紙を四つ折にじて書きためた自分の日記をくりひろげて
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「ほほう、これは面白い発見だ。すると犯人は麻雀牌こまりの中に毒薬を塗りこんだというわけですな」と雁金検事は感嘆した。
麻雀殺人事件 (新字新仮名) / 海野十三(著)
と大声をあげて場に積んである麻雀牌こまをひっぱってくることだ。気を付けていると、その度に、彼は麻雀牌のめんきざみつけてあるしるしをギュッと強く撫でまわした。
麻雀殺人事件 (新字新仮名) / 海野十三(著)
西にしひがしはてしなき大洋たいやうめんでは、荒浪あらなみさわぎ、ていをどつて、とても仔細こまかいはなしなどは出來できない、かく巨濤おほなみは、げんくだけてていくつがへらんとす、大尉たいゐラタをば右方うほうまはし、『すゝめ!。』の一聲いつせい
しばらく棲んだ自分の小屋でありながら、下からしみじみ見あげる自然木の垂木たるきや小枝の木舞こまいはひどく馴染なじみのないものであった。
石狩川 (新字新仮名) / 本庄陸男(著)
長柄の刃先、太刀の鞘を暗い秋の水にひたしながら、全軍の長蛇は粛々と、こまの対岸へ越えていた。
上杉謙信 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
こまやかな愛情に任ね切って、どうかすると、佐吉の膝の上に人形が乗って居たり、二人は犇と抱き合って居たりするところを見せ付けられて、雇人達は思わず仰天することもありました。
車輪こまの轂に 梨の芯
梶井君 (旧字旧仮名) / 三好達治(著)
駒鳥こまはね、丈の高い、籠ん中を下から上へ飛んで、すがって、ひょいとさかさに腹を見せて熟柿じゅくしおっこちるようにぼたりとおりて、をつついて、私をばかまいつけない
化鳥 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
私が人麿の歌を評釈した時には、新訓(佐佐木博士)の、「雪にこまうつあしたたぬしも」に従ったが、今回は、故生田耕一氏の「雪にうくつく朝楽しも」に従った。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)