“後影”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
うしろかげ96.9%
かげ3.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
全身砂埃を浴びた彼の後影うしろかげが、刹那に高く大きくなり、その上けばくほど大きくなり、仰向いてようやく見えるくらいであった。
些細な事件 (新字新仮名) / 魯迅(著)
庭樹のしげりに隠れ行く篠田の後影うしろかげながめりたる渡辺老女のまぶたには、ポロリ一滴の露ぞコボれぬ「きツと、お暇乞いとまごひ御積おつもりなんでせう」
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
後影かげは確かにわが陸軍の将校士官のうちなるべし。一人は濶大かつだいに一人は細小なるが、打ち連れて物語などして行くさまなり。武男はその一人をどこか見覚えあるように思いぬ。
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)