“荒浪”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
あらなみ94.1%
あらうみ5.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
というわたしをこの人はまだこどものように見てなにかと覚束ながる。たがいに眼を瞠目みはって、よくぞこのうき世の荒浪あらなみうるよと思う。
愛よ愛 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
陸を行けば、じき隣の越中の国に入るさかいにさえ、親不知子不知おやしらずこしらずの難所がある。削り立てたような巌石のすそには荒浪あらなみが打ち寄せる。
山椒大夫 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
しかし何をいうにも何十ひろという巨大おおきな奴が、四方行止まりのない荒浪あらうみの上で、アタリ憚からずに夫婦の語らいをするのですから、そこいら中は危なくて近寄れません。
近世快人伝 (新字新仮名) / 夢野久作(著)