“荒海”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
あらうみ77.4%
しけ6.5%
あらかい6.5%
あらみ3.2%
あるみ3.2%
わだつみ3.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
防波堤が無かつたら直ちに印度インド洋の荒海あらうみに面したコロムボは決して今日こんにちの如く多数の大船たいせんを引寄せる良港とは成らなかつたであらう。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
で、荒海しけを食らって揺れが激しくなる。船艙ハッチの荷物が動いて片方へ寄る。こうなると傾斜は直らないところへ、益ます猛烈に浪をかぶる。
沈黙の水平線 (新字新仮名) / 牧逸馬(著)
わびたる田舎町、荒海あらかいの路傍で、車をとめる。庄屋造りの旧家を横手に見、ふと、物好きを起こして、素朴な人々を驚かせ、あちこち、屋造りの様式を見学させてもらったのである。
随筆 新平家 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
私は、小湊こみなと荒海あらみ天津あまつたえうらあたりの浜辺に遊んでいる真黒なはなたらしの漁師の子供を見るたびに、聖日蓮ここにありと、いくたび感激の涙をこぼしたか知れません。
大菩薩峠:23 他生の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
「これはもと擇捉島えとろふじま荒海あるみに」と
泣菫詩抄 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫(著)
ほこらの裏へ廻った。——そして、荒海わだつみうしおのような樹々の唸りに体を吹かれてたたずんでいると
宮本武蔵:08 円明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)